レトロな感じがたまらない!「トレーラーバス」

2014年06月19日

レトロな感じがたまらない!「トレーラーバス」

レトロな感じがたまらない!「トレーラーバス」

終戦後の輸送需要の急増に対応すべく、進駐軍払い下げの軍用トレーラーを改造して作られたのが「トレーラーバス」です。すっかり消滅したものと思いきや、実は今も走っているところがあるんですよ。

戦後のバスのシンボルだった「トレーラーバス」

「トレーラーバス」とは、牽引車(トラクター)が客車(トレーラー)を引っ張って走る“牽引自動車型のバス車両”のことです。日本では太平洋戦争後の物資が乏しい時代に、進駐軍払い下げの軍用トレーラーを改造して作られたトレーラーバスが数多く走っていました。当時は復興に向かって動き出した人々や戦地からの引揚者などを輸送するために、バス需要が著しく高まっていたのです。トレーラーバスはその大量輸送性をいかんなく発揮して、戦後のバスのシンボルとして活躍したそうです。

機動性と安全性の問題で1950年代半ばに消滅

ただし、トレーラーバスは機動性に難があり、さらに牽引車と客車が完全に分離されて行き来ができないため、安全性の問題もありました。1950年(昭和25年)、走行中のトレーラーバスで客車が全焼する事故が発生します。牽引車と客車が分離された構造から、運転士が火災に気付くのが遅れ、その結果50名近い死傷者を出す惨事となってしまいました。この事故から安全性に疑問が投げかけられ、時を同じくした国産の単体大型バスの量産本格化も相まって、トレーラーバスは1950年代半ばには姿を消しました。

実は今でも走っているところがある!

そんなトレーラーバスですが、実は現在でも一箇所だけ使用されているところがあるんです。東京都の武蔵五日市駅(あきる野市)~日の出つるつる温泉間の路線に、機関車型のレトロ調のボディを持つ、その名も「青春号」というトレーラーバスが、今もれっきとした路線バスとして走っています。このトレーラーバスは、東京都日の出町が観光用に購入して西東京バスに運行を委託しているもので、このバスに乗車するためだけにこの地を訪れる人も多いそうです。もちろん客車内には懐かしの「車掌さん」が乗務しています。

運転には超マニアックな「牽引二種免許」が必要

ちなみにトレーラーバスを運転するには「牽引免許」、それも営業用には「牽引二種免許」が必要になります。この牽引二種免許は必然的にトレーラーバスを運転するためだけの免許となりますから、平成24年末現在で全国に531人しか保有者がいない“超マニアックな免許”でもあります。そのため青春号を運行する西東京バスは、営業運転に向けて牽引二種免許保有者を確保することに相当苦労されたそうです。