「奈良佐紀路・秋篠寺」本堂の伎芸天立像は女性に人気の“東洋のミューズ”

2016年03月18日

「奈良佐紀路・秋篠寺」本堂の伎芸天立像は女性に人気の“東洋のミューズ”

「奈良佐紀路・秋篠寺」本堂の伎芸天立像は女性に人気の“東洋のミューズ”

佐紀路の奥の秋篠の地に位置する「秋篠寺」は天皇家と関連の深い古刹です。そして本堂に安置される「伎芸天立像」は“東洋のミューズ”と称される女性にも人気の美仏なのです。

天皇家とも関連が深い古刹「秋篠寺」

「秋篠寺(あきしのでら)」は佐紀路の奥、西大寺の北方の「秋篠」の地に位置します。近鉄「西大寺駅」から奈良交通バスに乗って5分ほどのところですね。創建の正確な時期は分かっていませんが、奈良時代の776年(宝亀7年)に光仁天皇の勅願によって法相宗の僧・善珠(ぜんしゅ)が開基したと伝えられます。天皇家とも関連が深く、806年(延暦25年)に崩御した桓武天皇の五七忌が秋篠寺で行われたと、日本後紀(平安時代初期に編纂された勅撰史書)に書かれています。1990年(平成2年)に今上天皇の第二皇子・文仁親王(礼宮様)がご結婚を機に創設された「秋篠宮」の宮号も、秋篠寺と天皇家との古くからの関連によって相応しいとされ、選ばれました。

“東洋のミューズ”と称される美仏「伎芸天立像」

秋篠寺の周囲は細い道が続く住宅地。でも、こんもりとした森の入口に建つ山門をくぐると、そこはまさに異空間のような静寂に包まれます。木々が両側からトンネルのように頭上を覆い隠し、苔むした美しい庭が続くのです。

そして本堂に行けば、数多くのご仏像にお会いすることができます。中でも秋篠寺の名を高める最も有名なご仏像が、重要文化財の「伎芸天(ぎげいてん)立像」です。本堂に安置された諸尊が立ち並ぶ須弥壇(しゅみだん:仏像を安置するために一段高く設けられた場所)の、向かって左端に立つ伎芸天立像は像高206.0cm、柔らかな女性らしい体つきと首を左に少し傾げた温かなお顔、写実性に富んだ優美な身のこなしは、諸技諸芸の守護神として芸術家や芸能人にもファンがたくさんいらっしゃいます。もちろん“東洋のミューズ(*注1)”と称されるその美しさに魅せられた女性、特にキャリアウーマンの方々からも絶大な人気を集めている美仏です。なお、横顔が紀子妃殿下に似ていると伎芸天立像は文仁親王のお気に入りだったそうです。「秋篠宮」が選ばれたのにはそんな理由もあったのでしょうね。

*注1:「ミューズ(Muse)」
音楽・舞踏・学術・文芸などを司るギリシャ神話の女神「ムーサ(Musa)」の英語表記。

伎芸天立像が安置される「本堂」は国宝

創建当時の秋篠寺は東塔・西塔などを備えた宮寺級の大寺院でしたが、1135年(保延元年)の火災によってほとんどの主要伽藍を失いました。そのため、伎芸天立像が安置される本堂は当初からのものではなく、鎌倉時代の再建になります。しかし、正面5間、側面4間、屋根は寄棟造で本瓦葺きの建物は非常に安定感のある優美な姿で、鎌倉時代の再建でありながら数々の面で天平時代の様式を踏襲しています。品格高い簡素な建物は天皇家とゆかりある「秋篠」の名に相応しいもので、国宝に指定されています。

本堂西側に建っている「大元堂」も見逃せません。こちらには6本の手を持ち、体中に蛇が巻き付いた秘仏の「大元帥明王像」が安置されており、5月5日の護摩法要と6月6日の結縁開扉の際に開扉されます。ただし、一般参拝者の拝観が可能なのは6月6日のみなので、ぜひタイミングを合わせて訪れてくださいね。

秋篠寺への交通アクセス等

■ 所在地:奈良県奈良市秋篠町757

■ 交通アクセス:
◇ 近鉄西大寺駅から奈良交通バス「押熊行」にて「秋篠寺バス停」(約5分/運賃190円)下車、徒歩すぐ

■ 拝観時間:9:30~16:30(入場は16:00まで)

■ 拝観料金:一般500円 /高校生・大学生500円 /小・中学生は成人家族を伴うこと



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