「奈良信貴・信貴山 朝護孫子寺」虎がシンボルの“信貴山の毘沙門さん”

2016年04月01日

「奈良信貴・信貴山 朝護孫子寺」虎がシンボルの“信貴山の毘沙門さん”

「奈良信貴・信貴山 朝護孫子寺」虎がシンボルの“信貴山の毘沙門さん”

生駒山地にある標高437mの「信貴山」。その中腹に立つ「信貴山 朝護孫子寺」は毘沙門天を祀る由緒正しいお寺です。でも境内に入るとビックリ!どこもかしこも「虎」だらけなんです。

聖徳太子ゆかりの「信貴山 朝護孫子寺」

「信貴山(しぎさん)」は生駒山地にある標高437mの山です。その名の由来は、聖徳太子が物部守屋を攻めた時、この山で毘沙門天に必勝の秘法を授かり、それによって勝利した太子は毘沙門天を感得したこの山を「信ずべき貴ぶべき山」と名付けたことによると伝わっています。

その由緒ある信貴山の中腹に立つのが「信貴山 朝護孫子寺(しんぎさん ちょうごそんしじ)」です。創建の時期や事情は明確になっていませんが、寺伝では聖徳太子が信貴山の名を付けた際に、自ら毘沙門天像を刻んで伽藍を創建したのが始まりとされ、延喜年間(901~923)に信貴山で修行していた命蓮上人(みょうれんしょうにん)が再興したとのことです。その後、醍醐天皇(在位:897年~930年)のご病気を命蓮上人が祈願によって癒やしたことから、天皇、朝廟安穏、守護国土、子孫長久の祈願所として「朝護孫子寺」の勅号を賜ったそうです。朝護孫子寺は「信貴山寺」とも呼ばれ、多くの人々から“信貴山の毘沙門さん”として親しまれています。

あっちにもこっちにも虎、虎、虎!

朝護孫子寺に行って驚かされるのは、境内のそこかしこに「虎」の像があることです。右を向いても左を向いても、とにかく虎、虎、虎なのです。その数たるや、多分皆さんの想像を遥かに超えていると思います。巨大な張り子の「世界一福寅」あり、石像の虎あり、本坊の玄関にも虎の張り子、檻に入った石の虎、札束くわえた虎もいれば、「虎の胎内潜り」なんていうシロモノもあって、もうほんとに虎まみれ!なのです。

なぜこんなことになっているのかというと、かつて聖徳太子が毘沙門天に必勝の秘法を授かったその時が、寅の年、寅の日、寅の刻だったからだそうで、そんな縁から虎は朝護孫子寺の守り神となりました。そして聖徳太子の戦勝の故事や、持国天・増長天・広目天とともに四天王の一尊に数えられる武神の毘沙門天がご本尊ですから、当然のごとく「阪神タイガース」の選手たちが必勝祈願に訪れています。もちろん毘沙門天のご利益は戦勝祈願だけではなく、家内安全・商売繁盛・開運長久・心願成就などもありますから、境内はいつも多くの人々で賑わっています。

霊宝館に展示される「信貴山縁起絵巻」は国宝!

斑鳩方面の山や街並みを一望することができる、朱塗りの欄干を持つ舞台造りの「本堂」は、1958年(昭和33年)に復興されたもので、それ以前の建物は1592年(文禄元年)の豊臣秀吉の再建、または1602年(慶長7年)の豊富秀頼の再建とされるものでした。本堂内陣正面にはご本尊の毘沙門天王像が、左の善膩師童子像と右の吉祥天像と並んで安置されています。ちなみに毘沙門天の使者は虎ではなくムカデです。よって朝護孫子寺には虎と同じように、ムカデの絵や像が見られます。

本堂脇の「霊宝館」には国宝の「紙本著色信貴山縁起絵巻」が展示されています(展示物は複製。原本は奈良国立博物館に寄託)。この信貴山縁起絵巻は、平安時代に朝護孫子寺を再興した命蓮上人に関する物語を描いたもので、「山崎長者の巻(飛倉の巻)」「延喜加持の巻」「尼公の巻」の三巻からなっています。作者は不明ですが、その人物描写や躍動感あるれる軽妙なタッチは素晴らしく、源氏物語絵巻、鳥獣人物戯画、伴大納言絵詞と並ぶ“四大国宝絵巻物”のひとつとされる大傑作です。

虎だのムカデだの多少怪しさを感じさせるお寺ですが、朝護孫子寺は全国の毘沙門天を祀るお社の総本山で、由緒正しい歴史あるお寺です。秋には樹齢約500年の大イチョウが美しく色づき、日没となれば境内の2000基の石灯籠に灯が入ります。一度訪れてみる価値は十分にある面白いお寺ですよ。

信貴山 朝護孫子寺への交通アクセス等

■ 所在地:奈良県生駒郡平群町信貴山2280-1

■ 交通アクセス:
◇ JR大和路線「王寺駅」(JR奈良駅から15分/運賃300円)にて近鉄生駒線に乗り換え、「信貴山下駅」(2分/運賃150円)下車、そこから奈良交通バス「信貴山門行」にて「信貴大橋バス停」(約10分/運賃260円)下車、徒歩 約5分

*王寺駅を基点とした観光の便利な足として、王寺町内を始め、信貴山朝護孫子寺や法隆寺方面のバス区間を、1コイン(500円)で自由に乗り降りできる「聖徳太子ゆかりの里 わんデイパス」もあります。詳しくは王寺町観光協会 公式ウェブサイト「聖徳太子ゆかりの里 わんデイパス」にてご確認ください。

■ 拝観時間:境内自由 霊宝館9:00〜16:30(閉館17:00)

■ 拝観料金:境内無料 霊宝館:一般300円 /小・中学生200円



*ご紹介している情報は記事執筆日現在のものです。施設の詳細やバスの運行サービスなどは変更になる場合があります。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

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