「奈良三輪・箸墓古墳」あの卑弥呼のお墓かも!最古級の古墳に眠るのは誰?

2016年05月02日

「奈良三輪・箸墓古墳」あの卑弥呼のお墓かも!最古級の古墳に眠るのは誰?

「奈良三輪・箸墓古墳」あの卑弥呼のお墓かも!最古級の古墳に眠るのは誰?

今回ご紹介するのは桜井駅からバスと徒歩で15分ほどの距離にある「箸墓古墳」です。3世紀半ば過ぎに築かれた国内最古級の古墳は、あの邪馬台国の女王・卑弥呼のお墓かもしれないんですよ。

『日本書紀』に記述が残る国内最古級の古墳

天理市から国道169号線を桜井市方面に南下していくと、道沿いに巨大な古墳群が現れます。JR桜井線の柳本駅付近にあるのが全長242mの「崇神天皇陵(すじんてんのうりょう)/行燈山古墳(あんどんやまこふん)」、その先にある「景行天皇陵(けいこうてんのうりょう)/渋谷向山古墳(しぶたにむこうやまこふん)」の全長は310m、そして巻向駅を越えて見えてくるのが全長272mの「箸墓古墳(はしはかこふん)」です。

箸墓古墳は3世紀半ば過ぎに築かれた前方後円墳で、『日本書紀』の崇神天皇紀にも記述が残る国内最古級の古墳です。山の麓を利用して築かれた崇神天皇陵や景行天皇陵とは違い、三輪山を背にした平地に築かれた箸墓古墳は地面から直接、土を盛り上げて急勾配を造っているため、その大きさはひときわ雄大に見え、荘厳な気配も漂います。周濠(しゅうごう:古墳の周囲に掘られた堀)は美しく、その一部は「箸中大池」として、農林水産省が全国約21万ヶ所あるといわれる“ため池”の中から選定した「ため池百選」のひとつに選ばれています。

被葬者は“箸墓伝説”の姫様?

3世紀の昔に平地に土を盛り上げて、これだけ巨大な古墳を築くためには相当の人手が必要だったと思われます。そうなると箸墓古墳に被葬されているのが誰なのか、どれほどの権力者なのか期待しちゃいますよね。現在、箸墓古墳を管理する宮内庁は、ここを第7代孝霊天皇の皇女である「倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)」の墓と治定しています。なぜなら『日本書紀』の崇神天皇19月の条に“箸墓伝説”が記されているからです。以下に紹介してみましょう。

倭迹迹日百襲姫命は大物主神(おおものぬしのかみ)の妻となりました。しかし、大物主神は夜にしか現れません。姫が明るい昼間に顔を見たいと願うと、翌朝、大物主神は櫛笥(くしげ:櫛や化粧道具を入れておく箱)の中に美しい小蛇の姿で出現したのですが、それを見た姫が驚き叫んだため、恥じた大物主神は三輪山へと帰ってしまいました。後悔し、落胆した姫が座り込んだ時、箸が局部を突き刺してしまい、なんと姫は絶命、大市の地に葬られます。その墓を人々は「箸墓」と呼び、昼は人が墓を造り、夜は神が造ったと伝えました。

邪馬台国の女王「卑弥呼」の墓説も有力!

ただこのように日本書紀には記されているものの、天皇自身ではなく天皇の娘にこれほど人手と手間がかかる巨大な墓を造るのでしょうか。そんなことから、この古墳をかの邪馬台国の女王・「卑弥呼(ひみこ)」の墓と考える研究者も数多く存在します。こちらの根拠になっているのは、『魏志倭人伝』に記されている卑弥呼の墓の大きさと、箸墓古墳の後円部の直径が「百余歩」にほぼ一致する点です。箸墓古墳の後円部の直径は約150m、魏・晋時代の1里は300歩で435.6mですから1歩は約145cmとなり、「百余歩」は145m強となるわけですね。

以前は箸墓古墳の築造年代が3世紀末から4世紀初頭とされていて、卑弥呼が死亡したされる3世紀中頃(248年頃)の没年とは時期的にズレが大きいために、卑弥呼の墓の可能性は低いとされていました。しかし、近年の精度を増した考古学における年代測定で、箸墓古墳の築造年代も3世紀の中頃から後半とする説が主流となり、一気に“箸墓古墳=卑弥呼の墓”説が有力なものとなってきています。この時代に築かれた墳丘墓でこれほど大きな墓は他にありませんからね。

箸墓古墳は宮内庁の陵墓(倭迹迹日百襲姫命 大市墓)として管理されているため、墳丘への自由な立ち入りは禁止されています。それでも2013年(平成25年)2月に日本考古学協会などの要望で初の調査が実現しました。実質的な調査は始まったばかりですが、近い将来には箸墓に眠る人に光が当たることでしょう。

箸墓古墳への交通アクセス等

■ 所在地:奈良県桜井市箸中

■ 交通アクセス:
◇ JR・近鉄桜井駅北口から奈良交通バス「天理駅行」にて「箸中バス停」(約10分/運賃240円)下車、徒歩 約5分
◇ JR・近鉄天理駅から奈良交通バス「桜井駅北口行」にて「箸中バス停」(約20分/運賃480円)下車、徒歩 約5分
◇ JR桜井線「巻向駅」(JR奈良駅より23分/運賃320円)下車、徒歩 約10分

■ 参拝時間:自由

■ 参拝料金:無料



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