生活路線としてなくてはならない「コミュニティバス」

2016年09月09日

生活路線としてなくてはならない「コミュニティバス」

生活路線としてなくてはならない「コミュニティバス」

赤字路線だからといって廃止となれば、日常生活に支障をきたす方々もでてきます。そこで近年、重要な生活路線を守るために、小さな車両を使った「コミュニティバス」の導入が進んでいます。

様々な施策で生き残りを図るバス会社

自家用車の保有率が上がり、少子高齢化が進む近年において、バス会社の経営はとても難しくなっています。1970年(昭和45年)に100億人を突破した路線バスの年間の輸送人員は右肩下がりに減少し、ここ最近は40億人程度まで落ち込んでいるのです。そのため多くの民営バス会社は多角的な経営に乗り出したり、大都市の大手バス会社との系列化、同じ地域でのグループ化、経営効率向上のための分社化など、様々な施策で生き残りを図っています。

赤字路線といえども廃止となれば

それでも地方部の民営路線バス会社が運行する系統の約4分の3は赤字路線であり、事業者全体を見ても同じく約4分の3が赤字経営となっています。その結果、経営破綻するバス会社も現れるようになり、それを防ぐための赤字路線の廃止が続いています。でもこれは大変困ったことで、赤字路線とはいえども需要が全く無いわけではなく、重要な生活路線として利用している人もいるはずです。それが無くなってしまうとなると、運転免許や自家用車を持っていない高齢者や子供や障害者の方にとっては、日常生活に支障をきたす大きな問題となってしまうはずです。

小さな車両で費用対効果を高める「コミュニティバス」

少し前までは、その地域になくてはならない民営バス路線が廃止になると、市町村などの自治体が民営バス会社に替わって「廃止代替バス」を運行して路線を引き継いだり、赤字分を補填して路線を維持してもらうのが通例でした。しかし、昨今は自治体も財政難であり、このような方策を取るのが困難な状態です。そこで近年増えてきているのが、小型バスあるいは大きめの乗用車レベルの車両を用意して、自治体が民間に運行委託する「コミュニティバス」です。小さな車両を使うことで輸送人員の少ない路線での費用対効果を高めているわけですね。2013年(平成25年)現在、コミュニティバスを導入している市区町村数は1,226、車両数は3,063にのぼります。

バス事業は公益事業でもありますから

営利目的の民営バス会社にとって赤字路線は経営を圧迫しますから、撤退を考えるのはやむを得ないことです。2000年代に入ってからの「バス事業の規制緩和」によって、地域住民の同意なしでの路線の廃止も容易になっています。しかし、バスは公共交通機関ですから、営利事業としての顔の反対側に公益事業としての顔もあるはずです。地域住民のなくてはならない生活路線を守るために、小型車両を使ったコミュニティバスは民間と自治体が協力できる良い方法だと言えます。