【都営バスの歩み:近年~現代編】 環境に優しい低公害車両の投入

2017年02月01日

【都営バスの歩み:近年~現代編】 環境に優しい低公害車両の投入

【都営バスの歩み:近年~現代編】 環境に優しい低公害車両の投入

交通量が増大した1960年代後半から自動車の排気ガスには規制がかかるようになり、1990年代に入ると都営バスも環境に優しい低公害車両の投入を積極的に行うようになります。

健康と環境を守るために

自動車が道路にあふれ始めた1960年代後半から、大気汚染による健康被害に社会的な関心が集まってきました。1966年(昭和41年)にはガソリンエンジンの自家用車に対して一酸化炭素の濃度規制が課せられるようになり、1969年(昭和44年)からはさらに規制が強化されます。東京都営バス(都バス)は早い段階から低公害車両の導入を行い、1972年(昭和47年)11月から1978年(昭和53年)3月まで「電気バス」の試験走行を行いましたが、試験終了後の路線に低公害車両が投入されることはありませんでした。しかし、自動車排出ガス規制は炭化水素や窒素酸化物にも対象物質が拡大していきます。

まずは「LPG併用バス」を投入

東京都は1989年(平成元年)5月に自動車公害防止計画を策定して汚染物質の削減に取り組み、都バスも使用中のディーゼルエンジン車両にLPG(液化石油ガス)を併用する環境対策を1990年(平成2年)度から始めます。これはエンジンに高い負荷がかかる発進時などに軽油とLPGを併せて用いることで、軽油の燃焼に由来する黒煙の発生を40~50%抑えるというものです。この「LPG併用バス」は日野自動車が製作した車両を品川営業所の路線に投入して実地試験を行い、1991年(平成3年)~1992年(平成4年)には、いすゞ・三菱ふそう・日産ディーゼルからの車両も加わりました。

「ハイブリッドバス」も90年代初めに投入

それと同時に、主動力のディーゼルエンジンを電気モーターがアシストする「ハイブリッドバス」の開発も進められます。発進時や加速時などにはモーターが回って汚染物質の排出を抑える電気式ハイブリッドバスは、1991年に日野自動車の「HIMR」が杉並営業所に配置されました。1992年以降は制動時のエネルギーを油圧で回収・蓄積する蓄圧式ハイブリッドバスのいすゞ自動車「CHASSE」、三菱ふそう「MBECS」、日産ディーゼル「ERIP」などの導入も行われ、電気式ハイブリッドバスは1998年(平成10年)度までに67台、蓄圧式ハイブリッドバスは1997年(平成9年)度までに56台が投入されました。また、1993年(平成5年)からアイドリングストップ装置の試験導入も開始されています。

「CNGバス」と「燃料電池バス」

1995年(平成7年)からは圧縮天然ガスを燃料とする「CNGバス」も投入されました。天然ガスは軽油に比べてNOx(窒素酸化物)の排出が大きく削減され、黒煙を発生しないメリットがあります。そのため1999年(平成11年)度から都バスの低公害車両の新車はいったんCNGバスに統一されたのですが、専用の燃料充填施設などのインフラが必要なことから、近年は再びハイブリッド車両が導入されています。そして現在は2020年の東京オリンピックを見据えて、排出されるのは水だけという究極の低公害車両の「燃料電池バス」の導入が模索されています。