【高速バス/車両の特徴】乗り心地の良さを生み出すサスペンション

2017年06月19日

【高速バス/車両の特徴】乗り心地の良さを生み出すサスペンション

【高速バス/車両の特徴】乗り心地の良さを生み出すサスペンション

路面の凹凸から受けるショックを和らげて、快適な乗り心地と操縦安定性を保つのが「サスペンション」の役割です。では最新の高速バス車両のサスペンションはどのようなものなのでしょうか。

乗り心地の良し悪しもサスペンション次第

「サスペンション」とは、タイヤを取り付けるための軸である車軸と車体との間に取り付けられる「懸架装置」のことで、“路面からの衝撃を吸収して緩和する役割”と“ボディを支えてタイヤを路面に押し付ける役割”を持っています。つまりサスペンションが良ければ、乗り心地や操縦安定性が向上するということです。乗車時間が長くなる高速バスですから、快適な旅をするためにもサスペンションの性能は重要な要素となります。

「固定車軸方式」と「独立懸架方式」

サスペンションは車軸の位置決めを行う「サスペンションアーム」、車重を支えて衝撃を吸収する「スプリング(バネ)」、スプリングの振動を減衰する「ショックアブソーバー(ダンパー)」という3つの部品で構成されます。そして左右のタイヤを車軸で連結した「固定車軸方式(リジットアクスルサスペンション)」と、左右それぞれのタイヤを別々のサスペンションで動作させる「独立懸架方式(インディペンデントサスペンション)」の2つの方式に大別されます。固定車軸方式は耐久性に優れ、悪路走破性も高いのですが、片方のタイヤで受けた衝撃が反対側にも伝わるために乗り心地が悪くなります。独立懸架方式は操作性や乗り心地は良いのですが、製造コストや整備コストが高くなります。現在の高速バス車両の多くは前輪側を独立懸架方式、後輪側を固定車軸方式にしています。

現行車両に採用される「エアサスペンション」

サスペンションのスプリングには鋼線を螺旋状にした「コイルバネ」や、長さの異なる鋼板を何枚も重ねたを「リーフバネ」がありますが、現在の高速バス車両には「空気バネ」が使われています。空気バネは、ベローズと呼ばれる蛇腹構造のエアバッグに圧縮空気を封入し、それを1つの車軸に対して左右に1個ずつ(2バッグ式)、もしくは車軸の前後に2個ずつ(4バッグ式)備えます。大きな荷重を支えられるのが特徴で、固さを調節することも可能です。乗客数が多ければエアバッグに空気を送り込んで固くし、乗客数が少なければ柔らかくして振動や揺れを抑えます。そのため状況が変わっても乗り心地は常に良く、快適性を重視する高速バス車両には最適なのです。車高を調整することもでき、前輪の左右のエアバッグの空気を抜けばドアのある前方が下がるので、乗り降りが楽になります(クラウチング機能)。この空気バネを用いたサスペンションを「エアサスペンション(空気バネ懸架装置)」と呼びます。

「電子制御サスペンション」も標準装備

「電子制御サスペンション(ECS:Electronic Controlled Suspension )」も一般的になってきています。これは車体のあちこちにセンサーを取り付け、そのセンサーが車速や上下左右の揺れ、ステアリングの回転角速度などを検知し、それらの情報をコンピュータが分析して瞬時に空気バネの固さやショックアブソーバーの減衰力をコントロールするシステムです。構造が複雑でコスト高となってしまうデメリットもあるのですが、あらゆる条件下で乗り心地を損なうことなく、常に安定した走行が得られるため、最新の高速バス車両には標準装備されています。