【高速バスの安全対策】乗用車とは異なる運転技術の習得

2017年08月07日

【高速バスの安全対策】乗用車とは異なる運転技術の習得

【高速バスの安全対策】乗用車とは異なる運転技術の習得

高速バスの運転は簡単なことではありません。乗用車とはサイズも構造も大きく異なり、夜行便であれば乗客の睡眠にも気を使う必要があります。そのため長期間の研修を受けて運転技術を習得しています。

サイズも構造も乗用車とは大きく異なるバス車両

バスの運転手は全長約12m、全幅約2.5mの巨大な車両を楽々と操りますが、その運転技術は普通乗用車と大きく異なります。車両サイズの違いは当然のことで、それよりもバス車両が持つ2つの構造的な特徴を理解して対応しなければなりません。まずひとつは「運転席が前輪より2mほど前にある」ことです。そのためカーブを曲がる際には、運転席部分を突っ込んでハンドルを切るタイミングをずっと遅くする必要があります。もうひとつは「前後のオーバーハングが長い」ことです。タイヤから先の車体の部分が長いので、車両最後部はカーブでタイヤよりも外側に大きくはみ出し、後方から来た車や対向車と接触してしまう危険性があるのです。そのため同じ大型車両のトラックを運転していた経験があっても、新人運転手はこの感覚の違いに慣れるために時間を掛けて研修を受けることになります。

路線バスよりも乗り心地が重要な高速バス

さらに高速バスの利用客は乗車時間が長くなるため、路線バスよりも乗り心地の良い運転に気を配らなければなりません。もし車酔いでもしてしまったら二度と高速バスを使っていただけないでしょうし、夜行便であれば乗客をぐっすりと眠らせてあげるのが高速バス運転手の大切な任務ですからね。そこでアクセル、ブレーキ、クラッチ、ハンドルなどの操作を繊細に行うことが重要で、バス事業者によっては運転手に靴を脱いで運転させていたりします。靴下1枚であれば、親指で微妙なペダル操作が行えるというのがその理由だそうです。まさに「家のソファやベッドでくつろいでいるような乗り心地」を提供するのが高速バスの運転技術なのです。

長きにわたる研修で運転技術を習得

このような乗用車とは異なる運転技術を習得するため、バスの新人運転手はまず自社の研修センターや提携教習所などで基本操縦訓練を受けます。ここで前進、後退、車両感覚、右左折、坂道発進、車庫入れ、機器操作などのトレーニングを行い、それから指導教官とともに一般道での実地走行訓練を繰り返します。これらを2~3ヶ月かけて身につけ、その後の見極め審査に合格すれば、営業運転のバスに乗れるようになります。最初は先輩運転手のバスの同乗して走行ルートを覚え、同時に実際の運転に必要なテクニックやコツを教わります。路線バスと高速バスの両方を運行している事業者であれば、最初は路線バスの運転から始まり、それからさらに試験と訓練(例えばダッシュボードに立てたペットボトルを倒さないで走行する訓練など)を受けて高速バスの運転手の登用されるケースが多いようです。