時代の最先端を行く都バス車両の歴史(1980年代)

2017年10月18日

時代の最先端を行く都バス車両の歴史(1980年代)

時代の最先端を行く都バス車両の歴史(1980年代)

後半はバブル景気に沸いた1980年代。ディーゼル車の排出ガス規制が強化され、ハイグレードな都市新バス車両や2階建て車両などが都営バス路線に投入されました。

不評の「鈴木カラー」から「ナックルライン」へ

都バス車両のカラーリングは、1968年(昭和43年)にアイボリーとスカイブルーの「美濃部カラー」となって以来、そのデザインが1970年代はずっと変わることなく続きました。それが1981年(昭和56年)になると、鮮やかなイエローと赤(マルーン)のツートンカラーに生まれ変わります。ひと目で都営バスと分かり、目立つことで事故を防止、そして導入の始まった冷房車をアピールするためと説明されたこのカラーリングは、1979年(昭和54年)に東京都知事が革新系の美濃部亮吉氏から保守系の鈴木俊一氏に交代したことから「鈴木カラー」と呼ばれました。

ところがこの鈴木カラー、「あまりにも派手」「見ていて暑苦しい」などと利用者から不評を買い、識者たちからも「首都東京のバスとしての品位を損なう」と酷評されます。そこで東京都交通局は都バス色彩懇談会を設置して、日本を代表する画家の岡本太郎氏がデザインした特別出品車を含む4種類の試験塗装車を制作、それらを走行、展示して都民からアンケートを取りました。その結果、クリーム色にグリーンの帯を走らせ、裾部をグレーとした「ナックルライン」のカラーリングが採用され、1982年(昭和57年)後期の車両からこのデザインとなります。

1980年代に採用された都バス車両

1980年代はディーゼル車の排出ガス規制が進み、1979年の昭和54年排出ガス規制適合車には「K-」、1983年の昭和58年排出ガス規制適合車には「P-」が車両型式の頭に付けられました。また、直噴エンジンよりクリーンだとされた予燃焼室式エンジン搭載の昭和57年排出ガス規制適合車には、「N-」が付けられています。ただし、N-車両は全国的にもわずかしかない希少なものでした。

■ いすゞ自動車
「K-CLM470型(1980年~)」「P-LV314K型(1984年~)」

・K-CLM470型=全長9,990mm/ホイールベース4,700mm/ DH100H型エンジン/出力195PS。
・P-LV314K型=全長9,990mm/ホイールベース4,650mm/ 6QA2型エンジン/出力220PS。

■ 日野自動車
「K-RE101型(1980年~)」「P-RT223AA型(1984年~)」「P-HT233BA型(1985年~)」

・K-MP107K型=全長10,250mm/ホイールベース4,800mm/ EB400型エンジン/出力190PS。
・P-RT223AA型=全長10,280mm/ホイールベース4,800mm/ EM100型エンジン/出力225PS。
・P-HT233BA型=全長10,280mm/ホイールベース4,800mm/ M10U型エンジン/出力230PS。

■ 三菱自動車
「K-MP107K型(1980年~)」「P-MP118K型(1980年~)」「P-MP218K型(1985年~)」

・K-MP107K型=全長10,000mm/ホイールベース4,800mm/ 6D21型エンジン/出力205PS。都営バスを始めとする一部の公営バス事業者にのみ採用された型式。
・P-MP118K型=全長10,000mm/ホイールベース4,800mm/ 6D22型エンジン/出力225PS。半年程しか製造されなかったモデル。
・P-MP218K型=全長10,140mm/ホイールベース4,800mm/ 6D22型エンジン/出力205PS。

■ 日産ディーゼル
「K-U36K型(1980年~)」「N-U36K型(1983年~)」「P-U32K型(1984年~)」

・K-U36K型およびN-U36K型=全長10,220mm/ホイールベース4,760mm/ PP6H型エンジン/出力195PSの短尺モデル。
・P-U32K型=全長10,220mm/ホイールベース4,760mm/ PE6H型エンジン/出力230PS。

「都市新バス」に採用された専用車両

1960年代からの急速な経済成長とモータリゼーションの進展によって、東京を始めとする都市部の交通量は加速度的に増加していきました。その影響から路線バスは定時性と信頼性を失い、都営バスの利用者数も減少していきます。そこで1980年代当時の運輸省は、都市交通の体系的な根幹となるバスの利用を促進するために、新しい形の路面輸送システムの整備に乗り出します。それが「都市新バス」であり、都営バスでは1984年(昭和59年)から運行が始まりました。

都市新バスは当時における次世代型路線バスでしたから、快適な車内環境を実現する専用車両、すなわち「都市新バス仕様車両」が投入されます。その車両には冷暖房完備はもちろんのこと、側面窓が上部引き違い式の逆T型窓、出口の四枚折戸、入口のグライドスライドドア(フォールディングドア)、ハイバックシートなどが次々と装備され、1986年(昭和61年)に開業した「都02系統」には空気を自由に出し入れできるエアサスペンションが採用されました。これによって乗り心地が大きく改善され、以降の都市新バス専用車はすべてエアサス仕様になります。

2階建てバス」の運行

1981年(昭和56年)に台東区は2階建てバスのドイツ・ネオプランN326/3型を3台購入し、上野公園~浅草雷門の運行を東京都交通局に委託しました。これはなかなかの好評を得て、1988年(昭和63年)にはネオプランN326/3J型を1台追加、1992年(平成4年)には2台、1995年(平成7年)には1台が代替として導入されて開業時の3台と置き換えられました。なお、この路線は2001年(平成13年)に廃止となっています。

江戸川区も1989年(平成元年)から2000年(平成12年)まで、購入したネオプランN122型3台を小岩駅~葛西臨海公園の路線に投入し、2階建てバス路線として東京都交通局に運行を委託しました。

・N326/3型=全長12,000mm/全幅2,500mm/全高3,800mm/ベンツOM403X型(17,426㏄/352PS)
・N326/3J型=全長12,000mm/全幅2,500mm/全高3,800mm/ベンツOM401LA型(9,572㏄/313PS)
・N122型=全長12,000mm/全幅2,500mm/全高3,800mm/ベンツOM441LA型(14,621㏄/355PS)