時代の最先端を行く都バス車両の歴史(1990年代)

2017年10月20日

時代の最先端を行く都バス車両の歴史(1990年代)

時代の最先端を行く都バス車両の歴史(1990年代)

1990年代に入ると都営バスは大気汚染とそれに伴う地球温暖化を防ぐために、さらなる低公害車両の導入を行いました。そして乗降口に段差のないノンステップバスもこの時代に登場したのです。

1990年代に採用された都バス車両

1990年代も大気汚染を防ぐためにディーゼル車への排出ガス規制が段階的に行われ、1989年の平成元年排出ガス規制適合車には車両型式の頭に「U-」が、1994年の平成6年排出ガス規制適合車には「KC-」が付けられています。なお、1994年度には粒子状物質除去装置の「交互再生式DPF (Diesel Particulate Filter)」も導入されました。

■ いすゞ自動車
「U-LV324K型(1990年~)」
全長10,130mm/ホイールベース4,650mm/6QB2型直6エンジン/出力230PS。

「KC-LV380L型(1995年~)」
全長10,280mm/ホイールベース4,800mm/ 8PE1-N型V8エンジン/出力220PS。

■ 日野自動車
「U-HT2MLAA型(1990年~)」
全長10,280mm/ホイールベース4,800mm/ M10U型直6エンジン/出力230PS。

「KC-HT2MLCA型(1995年~)」
全長10,280mm/ホイールベース4,800mm/ M10U型直6エンジン/出力230PS。

■ 三菱自動車
「U-MP218K型(1990年~)」
全長10,140mm/ホイールベース4,800mm/ 6D22型直6エンジン/出力225PS。

■ 日産ディーゼル
「U-UA440HSN型(1990年~)」
全長10,205mm/ホイールベース4,720mm/ PP6型エンジン/出力235PS。

「KC-UA460HSN型(1995年~)」
全長10,205mm/ホイールベース4,720mm/ PP6型エンジン/出力235PS。

以上に加えて、都市新バス路線用にエアサスペンションの「いすゞU-LV224K型(1990年~)」「いすゞKC-LV280L型(1995年~)」「三菱U-MP618K型(1990年~)」「三菱KC-MP717K型(1996年~)」が導入されました。

・いすゞU-LV224K型=U-LV324K型と同スペック。足回りのみリーフサスからエアサスに変更。
・いすゞKC-LV280L型=KC-LV380L型と同スペック。足回りのみリーフサスからエアサスに変更。
・三菱U-MP618K型=U-MP218K型と同スペック。足回りのみリーフサスからエアサスに変更。
・三菱KC-MP717K型=全長10,195mm/ホイールベース4,800mm/ 6D24型直6エンジン/出力240PS。

さらなる低公害車両の導入

上記のような排出ガス適合車を投入するのはもちろんのことでしたが、深刻化する大気汚染とそれに伴う地球温暖化を防ぐために、都営バスはさらなる低公害車両の導入を行います。まず、1991年(平成3年)に電気式ディーゼルハイブリッドバスとして日野自動車の「HIMR(ハイエムアール)」の試験運行を実施し、1992年(平成4年)から1998年(平成10年)にかけて「日野U-HT2ML改」「日野U-HT2MLAH」「日野KC-RU1JLCH」、都市新バス用として「日野U-HU2MLA改」を合計66台、1994年(平成6年)採用しました。

さらに1994年から1997年(平成9年)にかけて、いすゞ「CHASSE(シャッセ)」や三菱「MBECS(エムベックス)」、日産ディーゼル「ERIP(エリップ)」といった蓄圧式ハイブリッドバスを55台増備します。その型式は「三菱U-MP618K」「三菱KC-MP637K」「三菱KC-MP737K」「三菱KL-MP737K」、「いすゞKC-LV280L」、「日産ディーゼルKC-UA460HAN」となっています。

そして1994年には圧縮天然ガスを燃料としたCNGバスの「いすゞKC-LV280L」「日産ディーゼルU-UA440HSN」「日産ディーゼルU-UA440HAN」を各1台ずつ採用して試験運行させ、1995年(平成6年)から1998年までにオリジナルのCNG充填施設を建設の上で、「いすゞNE-LV288L」「日産ディーゼルNE-UA4E0HAN」を合計88台導入しました。

新低床バスの開発

環境にだけでなく人にも優しい車両を求めて、それまでの低床車両よりも床面が30cm低い55cmのスロープ付き都市型超低床バスが、1991年に8台導入されました。1992年(平成4年)から1998年にはスロープに代えてリフトを搭載した「リフト付超低床バス」が48台導入されます。

ただし、これらの車両はコスト面で問題があったため、1995年(平成7年)から床面高を65cmにして段差を小さくしたツーステップバスを「らくらくステップバス」と名付けて採用しました。この車両はエアサスにしてニーリング機構(ドア側の車高を下げて乗り降りを楽にする仕組み)が付けられた「新低床バス」へと発展し、一部にはリフトも装備して、1998年までに153台が増備されています。

ついに時代はノンステップバスへ

1997年になると、床面地上高35cm、ニーリング時には23cmまで車高が下がり、中央ドアには車椅子用スロープ板が備えられたノンステップバスが三菱と日産ディーゼルから登場しました。都営バスでは「三菱KC-MP747K」と「日産ディーゼルKC-UA460KAM」を各1台ずつ導入し、その後も「いすゞKC-LV832L」や「日野KC-HU2PMCE」が加わるなど、次第に数を増やしていきます。

ノンステップバスはバリアフリーであることから、ご高齢の方や障害のある方にも乗り降りしやすい車両であり、1999年(平成11年)度の新規導入車からはすべてがノンステップバスに統一されました。そして2013年(平成25年)4月1日をもって、都バス全車両のノンステップ化が達成されることになります。