かつての都バスは営業所ごとに車両メーカーが決められていました

2017年11月10日

かつての都バスは営業所ごとに車両メーカーが決められていました

かつての都バスは営業所ごとに車両メーカーが決められていました

現在の都営バスの車両は年度ごとの入札によって国産4メーカーのいずれかが購入され、全営業所に配置されます。しかし、2000年代初めまでは営業所ごとに車両メーカーが決められていたんですよ。

年度ごとの入札で決められる新車両

現在18ヵ所ある都営バスの営業所および支所には、各々が受け持つ担当路線の運行に必要となる車両数が配置されています。車両の購入先は「いすゞ自動車」「日野自動車」「三菱ふそうトラック・バス」「UDトラックス(旧:日産ディーゼル工業。2010年10月よりバス事業から撤退)」の国産4メーカーなのですが、2004年(平成16年)度より新車の購入には入札制度が採用されたことで、ひとつの購入年度にはすべての営業所・支所に同一メーカーの車種が配置されるようになりました。もちろん公営企業という性格上、落札するメーカーは基本的に年度ごとで異なります。そのため各営業所には複数メーカーの車両が並ぶようになり、2016年(平成28年)5月現在で全メーカーを保有していない営業所・支所は、港南、新宿、杉並、青梅の4支所だけとなっています。

かつては営業所ごとにメーカーが指定されていた

では、入札制度が採用される2003年(平成15年)度より前はどうなっていたのでしょうか。その答えは「営業所・支所ごとに配置されるメーカーが決められていた」です。いくつもある営業所に国産4メーカーを割り振ることで、公営企業の公平性を保っていたのですね。当時におけるメーカーごとの指定営業所は以下の通りです。

● いすゞ自動車
新宿・小滝橋・巣鴨・江戸川・臨海・深川・(大塚)・(八王子)・(滝野川)・(旧:江戸川)

● 日野自動車
品川・港南・杉並・青梅・(葛西)

● 三菱ふそうトラック・バス
渋谷・早稲田・千住・南千住・青戸

● UDトラックス/日産ディーゼル工業
北・練馬・江東・(志村)・(今井)

括弧でくくられているのは、廃止や統合、または改称などによって現在は存在していない営業所です。

なんと架装ボディや車内放送までもが指定

さらに、架装されるボディにおいても営業所ごとに指定があり、いすゞ車は巣鴨と深川が富士重工業製、それ以外はいすゞバス製造(現:ジェイ・バス)製、三菱ふそう車は千住・南千住・青戸に三菱自動車工業名古屋製作所大江工場製、渋谷・早稲田に新呉羽自動車工業(現:三菱ふそうバス製造)製が配置されていました。もっと細かく見れば、運転席側のサイドミラーの形状や運賃箱メーカー、車内放送の声やチャイム音までも営業所によって異なる指定がされていたそうですよ。

入札による競争が優れた車両の開発につながる

この営業所ごとのメーカー指定の原則が崩れた理由として考えられるのは、入札にすることによる購入コストの低減、全車両ノンステップ化の実行、2000年代初めに起きた「三菱ふそうリコール隠し」による指名停止処分、UDトラックスのバス事業撤退などが挙げられます。当然、入札制度の採用によってメーカー間の競争が高まりますし、それが今以上に人にも環境にも優しい車両の開発につながってくれることが期待できます。もちろん都営バスの健全経営にも貢献してくれることでしょう。そうなれば私たちにとってもありがたいことに違いありませんよね。