都バスのダイヤはどうやって決められるの?

2017年11月29日

都バスのダイヤはどうやって決められるの?

都バスのダイヤはどうやって決められるの?

効率の良い運行と輸送力の確保を実現するために、都営バスでは度々ダイヤ改正が行われています。そこで今回は、非常に複雑な都営バスのダイヤ作成作業についてお話してみます。

路線バスのダイヤ設定は難しい!

鉄道や路線バスなどの公共交通機関では、効率の良い運行と輸送力の確保を実現するために、しっかりとした「運行ダイヤ」の作成が重要です。ただ、路線バスのダイヤ作成は、鉄道に比べて難しい部分がたくさんあります。時間帯や曜日によって利用者数が異なるのはどちらも同じですが、路線バスは鉄道のように乗客が多いからといって車両を連結することができません。必然的にラッシュ時には便数を増やし、閑散時には減らすという調整を行うことになります。

さらに一般車両とともに道路を走るので、混雑状況によって所要時間は変化しますし、乗降客のないバス停は通過、バス停周辺のスーパーが特売日ともなれば停車時間は長くなります。路線バスは鉄道よりも人々の生活に密着しているため、運行に影響を与える要因がたくさんあるのです。

ですから都営バスでは平均値を元にしながらも、時間帯や曜日ごとの利用者数や道路の混雑状況を詳しく調べています。そして現実の状態を把握した上で、「平日」「土曜日」「日祝日」の3パターンのダイヤを時間帯に応じてきめ細かく作成しています。

車両と乗務員の運用も加味せねばなりません

曜日や時間帯に応じた運行本数の作成と同時に、車両の運用も考える必要があります。先に述べたように、路線バスは鉄道のように車両を連結して乗車定員を増やすことができませんから、通勤通学時間帯のラッシュ時にはそれに対応できる車両数を用意することになります。しかし、新車のノンステップバスは1台2000万円以上しますので、追加購入よりも先に他の不採算路線のダイヤを見なおして、そこから余剰となった車両を持ってきたりもします。

そして乗務員(運転手)を当てはめます。現在の都営バスは運転手ごとに担当車両が決まっているわけではなく、所属営業所のすべての車両に乗務するスタイルを採用していますので、ダイヤと運転手の乗務(勤務)時間に合わせた運用を行います。そのため、運転手の交代や休憩、ラッシュ時後の台数調整などで起こる車庫への出入庫の際も、出入系統として少しでも営業運行するようにダイヤ作成をしています。

地下鉄が開業したのに増便!?

このように苦労してダイヤを作成してみても、運行後に沿線の環境が変わったり、利用者の動向に変化が生じて、実情にそぐわなくなることも多々あります。ルート上に大規模な商業施設が開業すれば増便が求められますし、地下鉄が開業すればそれまでバスを利用していた人の移行が予測されるので、減便しなければならないでしょう。もちろんそのような場合には、早急なダイヤ改正が行われます。

ただし、この予測はなかなか難しく、再度の修正を余儀なくされることもあるようです。例えば池袋駅東口から新宿を経由して渋谷駅東口へ向かう「池86系統」は、2008年(平成20年)6月の東京メトロ副都心線開業に伴って大幅な減便を行いました。ところが減便後の混雑は著しく、翌2009年(平成21年)にダイヤ改正をして日中を中心に増便しています。同様のケースは他にもあり、高齢者や小さな子供を持つ世代にとっては、上下移動の多い地下鉄よりも手軽に乗降できる路上交通の路線バスの方が利便性が高いのだと思われます。

ITの活用で効率良くスピードアップ!

このように運行ダイヤの作成は、時間帯や曜日ごとの利用者の動向だけでなく、そこに様々な不確定要素を加え、さらに車両と乗務員を重ねあわせる複雑な作業です。1980年代初めまでの都営バスは、これを専門のスタッフが手作業で行っていました。まさにそれは職人技とも言うべき仕事でしたが、そのようなプロフェッショナルたちが集まっても、大規模なダイヤ改正の際には数千時間が必要とされていました。

現在は「ダイヤ管理システム」が稼働していて、様々なデータを元にパソコンの画面上で効率良くスピーディーに作成されています。車両と乗務員の運用も無理がなくなり、利用者ニーズに沿ったダイヤ改正も随時行えるので、今日も都営バスは安全性と利便性の高いダイヤで運行しているのです。