約1400台の車検を受け持つ「都バス自動車工場」のお仕事

2017年12月18日

約1400台の車検を受け持つ「都バス自動車工場」のお仕事

約1400台の車検を受け持つ「都バス自動車工場」のお仕事

東京都交通局車両課直轄の都営バス自動車工場は、保有している約1400台の車検整備を一手に受け持っています。そのお仕事ぶりをご紹介してみましょう。

路線バスの点検整備は厳しいのです

路線バスの法令点検や車検がどのくらいのスパンで実施されるか、皆さんはご存知でしょうか。当たり前のことですが、営業目的で不特定多数の乗客を輸送する路線バスには普通乗用車よりも厳しい点検整備が課せられており、法令点検は3ヶ月ごと、車検整備は12ヶ月ごととなっています。

都営バスには約1400台の車両が稼働していますので、それらの整備は非常に大変です。そのため各営業所には整備工場があって、1ヶ月ごとの自主点検や3ヶ月ごとの法定点検を受け持っています。ただし、大掛かりな車検整備となれば営業所の整備工場を離れ、東京都江東区の深川営業所の一角にある「都営バス自動車工場」が一手に受け持ちます。そのお仕事ぶりをご紹介してみましょう。

6レーンを3名体制で整備

都営バス自動車工場の車検整備場には6つのレーンがあり、それぞれを3名体制の交通技能職員が受け持ちます。普通乗用車の車検と同様に、エンジンやブレーキ、足回り、電気系統などを、都営バスが定めた世界トップレベルの厳しい点検基準に適合するよう調整していきます。

ただし、事故が起きては大変なので、摩耗や劣化の程度が激しくなくても、一定の期間や走行距離を経過したものに対しては交換するという計画整備が導入されています。さらに、投入される路線に坂道が多いなどの使用環境の違いが車両ごとにあるため、どこに重点を置くかも加味して整備は行われます。

1台あたり1日で完了させるのが原則

このような車検整備は1台あたり1日で完了させることが原則となっており、1日6台が入場してきます。これを正確かつスピーディーに点検基準へ適合させるため、各車両車種のエンジンやブレーキ、電気系統部品のストックをあらかじめ整備しておき、それを入場してきた車両に装着、取り外したものを車検とは別に整備しておくという手法を採用しています。同じ車両がたくさんある都営バスだからこそできるやり方ですね。

もちろんボディの板金、塗装、床材の張替え、シートの補修など、車両の美しい見た目も保っていますし、作業効率を高めるために整備工具そのものまで製造したりもしています。部品の研磨だけでなく、整備工具を自作するための機械工作室があるくらいなんですよ。

日々の研鑽と人命を守る高きプライド

車検整備自体は普通乗用車と同様なのですが、そこは大型のバス車両ですから構造や方式は異なっていますし、部品の大きさや重さもケタ違いです。そのため整備を担当する交通技能職員の技量は高く、この道何十年というベテラン職員が蓄積したテクニックを若手職員に伝えています。日々の研鑽と人命を守る高きプライドが、都営バス自動車工場の最大の強みかもしれません。私たちが安心して都営バスを利用できるのも、自動車工場の職員の皆さんが見えないところから支えてくれているおかげなのです。