なんと年に1本しか走らない幻の路線バスがあるんです

2018年03月05日

なんと年に1本しか走らない幻の路線バスがあるんです

なんと年に1本しか走らない幻の路線バスがあるんです

利用者数の少ないバス路線の中には1時間に1本とか1日に1本などというダイヤ設定のものがあります。でも全国各地を探すと、なんと年に1本しか運行しない幻の激レア路線があるんですよ。

路線バスなのに年1本しか走らない?

路線バスの運行便数は、基本的に利用者の数によって設定されます。その路線の需要が高く、多くの人々が利用するようであれば頻繁にバスはやってきますし、需要が低ければ1時間に1本とか、極端な場合は1日に1本しか運行されなかったりします。

でもさすがに“年に1本”しか走らない路線バスが存在するとは思えませんよね。ところが全国を探すとそれがあったりするのです。例えば神奈川県の小田原市から箱根町周辺を営業エリアとする箱根登山バス株式会社の「小田原駅発ターンパイク経由箱根町行き」の臨時バス。これが年に1本だけしか運行しないのですよ。

11月3日に箱根ターンパイクを走る超レア路線

もともとこの路線は、1990年(平成2年)頃まで小田原駅方向のみの設定で観光シーズンを主に運行されていたのですが、箱根ターンパイク(ネーミングライツにより現名称はMAZDA ターンパイク箱根)という有料道路を利用するためコスト高であり、利用者の減少も相まって廃止となりました。しかし完全な廃止とはせず、6月のあじさいシーズンなど季節限定の運行を続け、ここ数年は11月3日に片道1本だけ走っています。

このような“年1路線”に乗客がいるのかと思われるでしょうが、ウルトラスーパーな激レア路線だけにバスマニアの心をくすぐるようで、けっこう混雑していたりします。特別な乗車記念証やノベルティグッズが配られることもあり、知る人ぞ知る人気路線になっているようですよ。ただ臨時バスだけに、毎年必ず11月3日に運行されるわけではありません。乗車希望の方は事前に箱根登山バスの公式サイトで運行を確認するようにしてくださいね。

その目的は路線免許の維持なのです

ではなぜバス会社は年1路線の運行を続けるのでしょうか。実は路線バスの運行には国土交通省の免許が必要で、一度路線を完全廃止にして路線免許を放棄してしまうと、再取得に大変な手間がかかってしまうのです。箱根登山バスは小田原駅から箱根町まで国道1号線経由や箱根新道経由で走る路線を運行しており、その迂回路を保持するためにもターンパイクを経由する路線は手放せません。

もちろん将来的に利用者の増加が見込めるようになるかもしれませんので、いわばアリバイ作りのように細々と運行を続けているのです。このように乗客輸送よりも路線免許の維持を目的として運行される路線は「免許維持路線」と呼ばれます。

年1本の免許維持路線は他にもあります

年に1本しか走らない免許維持路線は今回ご紹介した箱根登山バス以外にもあります。京都市内を中心に路線バスを展開する京都バスの95系統(大原~鞍馬)は、毎年3月下旬の春分の日に鞍馬行きの片道1本だけが運行されますし、同じく京都府の京阪バス47系統(山科駅~西大津バイパス経由~大津京駅)は2017年(平成29年)より毎年10月1日に1往復だけの運行となりました。近江鉄道バスが運行している名神高速道路経由の京阪三条線も、例年11月に京阪三条行のみ1便だけが運行されます。

こうみると激レアな免許維持路線は観光地周辺に多いようですね。でも月1本や週1本の運行であれば都市部にもあると思います。もし皆さんのお住まいの近くにそんな路線があったら、それは免許維持路線かもしれませんぞ。