秋田の秋北バスに関東の国際興業バスと同じ塗装の車両が走る理由

2018年04月09日

秋田の秋北バスに関東の国際興業バスと同じ塗装の車両が走る理由

秋田の秋北バスに関東の国際興業バスと同じ塗装の車両が走る理由

秋田県北部を営業エリアとする秋北バスの路線バスには、関東の国際興業バスと同じ白地に黄緑色を基調としたカラーリングの車両が数多く走っています。いったいなぜなのでしょうか?

国際興業バスとつながりの深い秋北バス

「秋北バス」は大館市・北秋田市・鹿角市・能代市など秋田県北部を営業エリアとするバス会社です。一般路線バスおよび高速バス、貸切バスを運行し、その設立は1943年(昭和18年)4月、陸軍統制令に基づく山本郡、北秋田郡、鹿角郡13業者の統合により、秋北乗合自動車株式会社として発足しました。1954年(昭和29年)に現在の秋北バス株式会社と社名を変更、1962年(昭和37年)からは東京都東部や埼玉県の広い範囲でバス事業を行う国際興業バスを中心とした国際興業グループの一員になりましたが、現在は岩手県交通、十和田観光電鉄とともに国際東北グループを形成しています。

譲渡された中古車両を秋北カラーに再塗装

国際興業バスは排ガス規制が厳しい都市部を運行しているため、十分に使用できる車両でも廃車にせざるを得ないことが多々あります。このような車両も地方部での使用はなんの問題もないので、以前から秋北バスは国際興業バスの中古車両を導入し、紅葉の赤と黄色、雪の白、十和田湖の青をイメージした赤、黄色、白の3色をベースに太い青と細い赤のラインを施した“秋北カラー”に塗り替えて使用してきました。

さらなるコスト削減のために

しかし、秋北バスのような地方部のバス事業者は、営業エリアの過疎化や自家用車の普及などによって厳しい経営を強いられており、中古車両の導入はコスト削減に大きく寄与するものの、2000年代に入るとさらなる努力が求められるようになります。そこで車体カラーは国際興業バスのまま秋北カラーへの塗装はせず、社名ロゴなどを変更しただけで使用するようにしました。

もちろん自社発注の新車や国際興業バス以外から譲渡された中古車両もあったので、それらには統一感を持たせるため国際興業カラーに塗装しました。このようなことから秋田の地にも、東京や埼玉で見かける白地に黄緑色を基調とした国際興業カラーの車両が頻繁に走るようになっていったのです。

近年は秋北カラーの車両も少しずつ増加

それでも2008年(平成20年)、秋北バスは創業65周年記念事業に一環として、オリジナルの秋北カラーに塗装した中古車両を約10年ぶりに2台投入しました。この復刻塗装は地元秋田の利用者から大歓迎され、少しずつ秋北カラーに塗り直した車両が増えてきています。2016年(平成28年)現在、秋北バスが保有する約200台の車両の内、30台ほどがオリジナルカラーです。

再び全車両が紅葉の赤と黄色、雪の白、十和田湖の青に塗られることはないでしょうが、やはり地元の人々が愛着を感じる秋北カラー車両は、今後も一定数保たれるようです。ノスタルジックなバスを見ることで昔を想い出し、それが明日への活力を生み出すことも多分にありますものね。