ローカルバス路線紹介・・・「高森町民バス(熊本県高森町)」

2018年05月02日

ローカルバス路線紹介・・・「高森町民バス(熊本県高森町)」

ローカルバス路線紹介・・・「高森町民バス(熊本県高森町)」

全国各地のローカルバス路線にスポットを当てていくこのシリーズ、今回は熊本県南阿蘇の高森町を走る「高森町民バス」をご紹介します。町営のコミュニティバスですが、これがとってもスゴイんです!

“阿蘇の奥座敷”と称される「高森町」

皆さんは熊本県の阿蘇山南東部にある「高森」という町をご存知でしょうか。世界最大級のカルデラを形成する外輪山と、カルデラ内部に連なる中央火口丘群の阿蘇五岳(根子岳、高岳、中岳、烏帽子岳、杵島岳)との間に位置し、山頂や斜面がギザギザの奇観をなす標高1,408mの根子岳の麓に広がる“阿蘇の奥座敷”です。静かで自然の安らぎにあふれ、野の花が咲き誇る美しい郷、それが南阿蘇の高森町です。

路線バスはコミュニティバスの「高森町民バス」

高森町の面積は175.06平方kmと広く、これは東京23区南部の港区・品川区・目黒区・世田谷区・大田区の合計に匹敵します。しかし、人口は1970年(昭和45年)の10,444人から2017年(平成29年)には6,085人と減少しており、過疎化が進行しています。ちなみに、面積が匹敵する東京南部5区の合計人口は、250万人超えにもなるんですよ。

そこで高森町を走る路線バスは、町が運営に携わるコミュニティバスの「高森町民バス」となっています。全国的にも過疎化が進む地方都市では、採算が取れずに撤退した民営バスに替わって地方自治体がコミュニティバスを運営し、運行を民間バス会社へ委託するケースが増えてきていますからね。高森町民バスも運行は九州産交バスが委託されています。

普通のコミュニティバスとはちょっと違います

ここまでは何の変哲もないごく普通のお話なのですが、高森町民バスには大きな特徴があります。一般的にコミュニティバスは赤字路線を引き継ぐため、路線数や便数を極端に減らしたり、走行距離を短くしたり、予約がなければ運行しないなどの合理化を図ることで運行の継続を図るのですが、高森町民バスはコミュニティバスでありながら民営バスのような運行を行っているのです。

まず、運行路線数は毎日運行する「色見環状線(温泉館経由)」「色見環状線(色見経由)」、月曜日と木曜日のみ運行する「草部南部線」「河原線」「津留・野尻線」、火曜日と金曜日のみ運行する「尾下線」「草部北部線」の7系統があり、色見環状線は2つ合わせて1日7便、他の曜日指定系統も1日2~3便が設定されています。そして、コミュニティバスの多くは学校や公共機関が休みになる日曜・祝日は運休になりがちですが、色見環状線は毎日運行しますし、曜日指定系統は当日が祝日であっても運行されます。もちろん予約は必要ありません。

2時間以上乗り続けても運賃は一律200円!

さらに特徴的なのが運行距離の長さです。町の中心部を走る色見環状線以外の5系統は、最も短い河原線でも所要時間が1時間40分、残りの4系統は中心部の高森町役場前を出発して各々の集落を回り、再び高森町役場前に戻ってくるまで、全てが2時間以上かかります。それでも運賃は大人200円。2時間以上乗り続けたとしても200円ポッキリなのです。

実際に乗ってみても楽しいですよ。例えば草部南部線は高森町役場前から高森峠を越え、阿蘇外輪山の上を走って戻ってくる約60kmのルートですが、途中には車幅2m/全長7mクラスの小型バス車両をもってしても車幅とほぼ同じ幅の道や橋が連続します。ガードレールのないヘアピンカーブも普通にあり、そこを涼しい顔で走り抜ける運転手さんのドライビングテクニックには感動せざるを得ません。また、高森峠付近から望める阿蘇五岳の眺望は素晴らしく、観光を兼ねてぜひ一度乗ってもらいたいローカルバス路線となっています。これだけのスリルと眺望を味わえて200円ですしね!