ローカルバス路線紹介・・・「尻屋線/尻屋崎線(下北交通)」

2018年05月09日

ローカルバス路線紹介・・・「尻屋線/尻屋崎線(下北交通)」

ローカルバス路線紹介・・・「尻屋線/尻屋崎線(下北交通)」

全国各地のローカルバス路線にスポットを当てていくこのシリーズ、今回は青森県の下北半島を走る下北交通の「尻屋線/尻屋崎線」です。むつ市内から灯台と馬の景勝地である「尻屋崎」を目指します。

下北半島を走る「尻屋線/尻屋崎線」

今回ご紹介する「尻屋線/尻屋崎線」は青森県の下北半島を走るバス路線です。起点は陸奥湾に面したむつ市の「むつバスターミナル」で、そこから半島北東端の尻屋崎(しりやざき)方面を目指します。現在、下北半島の鉄道は陸奥湾沿岸を縦貫するJR大湊線しかなく、半島内のほとんどは鉄道空白エリアになっています。そのため路線バスは地域住民の貴重な交通手段として重要であり、その運行を支えているのがむつ市に本社を置く下北交通です。もちろん尻屋線および尻屋崎線の運行も下北交通になります。

むつバスターミナルから野牛沼バス停まで

むつバスターミナルを出発した赤いストライプの下北交通バスは市街地を抜け、県道6号むつ尻屋崎線を北東方向に進みます。斗南岡(となみがおか)バス停付近では、朝敵の汚名を着せられて廃藩となった旧会津藩が、この地での復興を夢見た斗南藩史跡を車窓より見ることができます。

やがてバスは蕎麦の産地である東通村(ひがしどおりむら)に入り、夏になると沿線には蕎麦の白い花やひまわりの大輪が咲き誇ります。東通村清掃センター前バス停を過ぎると、バスは一度県道を外れて入口集落を通り、再び県道へと戻ります。野牛沼(のうしぬま)バス停前には観光PR施設の野牛川レストハウスが。こちらでは毎月9の付く日に東通和牛の即売会が行なわれますし、ブルーベリーのソフトクリームやジャムなどの美味しいものがたくさんあります。

岩屋集落から尻屋線終点尻屋バス停まで

さらに進むと小学校、郵便局、漁業組合などもある岩屋集落です。この漁村には海峡食堂「善」という食堂があり、東通和牛や新鮮な海産物がいただけますよ。岩屋集落を過ぎるとバス停は日鉄坑口前、三菱マテリアル前、日鉄鉱業所前となり、さながら工業地帯のような風情を醸し出すのですが、この付近では石灰石の採掘やセメントの製造などが行われています。

日鉄鉱業所前バス停の次は尻屋崎口バス停で、その手前からバスは大きく右にカーブして尻屋集落へと入っていきます。そして尻屋線の終点となる尻屋バス停に到着します。ここまでの路線が尻屋線で、むつバスターミナルからの所要時間は45分~50分、片道全線運賃は1,310円です。

毎年5月1日~10月31日間に運行する尻屋崎線

尻屋バス停から来た道を戻り、尻屋崎口バス停の先のカーブを右に曲がってさらに北東へと進路を取るのが尻屋崎線です。終点は下北半島の北東端をなす岬の尻屋崎。そこには1876年(明治9年)10月に東北最初の灯台として点灯された白亜の「尻屋埼灯台」が立ち、その周辺には寒立馬(かんだちめ)と呼ばれる馬が放牧されています。寒立馬は足が短く胴が長く、ずんぐりとした体格の馬で、寒気と粗食に耐え、持久力に富む農用馬として重用されてきました。一時は9頭まで激減してしまったのですが、2002年(平成14年)に青森県の天然記念物に指定されたこともあって、今は40頭ほどにまで回復しています。

この寒立馬と白亜の灯台を見るために、春から秋にかけて尻屋崎へは多くの観光客が訪れます。尻屋崎線は尻屋バス停から尻屋崎バス停の約4km、所要時間8~10分、運賃280円を指しますが、尻屋線と同じむつバスターミナルを起点として直通します。ただし、運行は毎年5月1日~10月31日と限定されていますのでご注意ください。下北半島の冬は厳しく、尻屋埼灯台周辺も閉鎖され、寒立馬たちは別の越冬放牧地で過ごしていますからね。