ローカルバス路線紹介・・・「留萌別刈線/別刈雄冬線(沿岸バス)」

2018年05月23日

ローカルバス路線紹介・・・「留萌別刈線/別刈雄冬線(沿岸バス)」

ローカルバス路線紹介・・・「留萌別刈線/別刈雄冬線(沿岸バス)」

全国各地のローカルバス路線にスポットを当てていくこのシリーズ、今回は北海道の留萌市および増毛町と長きに渡って“陸の孤島”と呼ばれた雄冬集落を結ぶ、沿岸バス運行の2路線をご紹介します。

国道231号線を走る2つのバス路線

今回ご紹介するローカルバス路線は、北海道の沿岸バス株式会社(本社:苫前郡羽幌町)が運行する「留萌別刈線」と「別刈雄冬線」です。どちらも北海道北西部の日本海沿岸を通り、札幌市と留萌(るもい)市をつなぐ国道231号線を走ります。この国道231号線を利用して留萌市と増毛(ましけ)町を結ぶのが留萌別刈線、それに接続する形で増毛町から雄冬海岸の断崖の中にある雄冬岬北側の雄冬集落を結ぶのが別刈雄冬線になります。

留萌市と増毛町を結ぶ「留萌別刈線」

留萌別刈線の起点は留萌市東部の留萌市立病院バス停で、そこから留萌駅前などの市街地を抜けた後に国道231号線を南下していき、終点は増毛町中心部の旧増毛駅バス停から15分ほどのところにある大別苅(おおべつかり)バス停です。ルートのほとんどが2016年(平成28年)12月に廃止となったJR留萌本線の留萌駅~増毛駅区間と並行しているため、同区間の代替バスとして、主に増毛町から留萌市への通院、通学の足となっています。起点から終点までの所要時間は約60分、1日9往復の運行です。

“陸の孤島”だった雄冬集落

留萌別刈線のバスが終点の大別苅バス停に近づくと、車窓からは人の侵入を拒むように圧倒的な存在感で切り立つ断崖絶壁が見えてきます。ここは暑寒別岳(しょかんべつだけ)を主峰とする増毛山地の山々が海に沈みこむところで、大別苅から先の沿岸は全て波の激しい浸食によって切立った海食崖が連なります。もちろん人家は一切存在しませんが、約10km先の雄冬岬の北側には長きにわたって“陸の孤島”と呼ばれた雄冬集落があり、そこに住む人々は国道231号線が全通するまで1日1往復する定期船だけが外界とつながる交通手段でした。

雄冬集落の利便性を高めた「別刈雄冬線」

雄冬に暮らす人々の悲願であった国道231号線が全通したのは、1981年(昭和56年)11月のことでした。しかし、同年12月に国道上の雄冬岬トンネルで大規模な崩落事故が発生したことで、国道は通行不能となってしまいます。1984年(昭和59年)5月にトンネルは復旧したものの冬季間の増毛~雄冬の通行止めは依然続き、1992年(平成4年)の10月になってようやく通年利用が可能となりました。近年でも新トンネルの掘削が行われており、2014年(平成26年)3月に2,995mの新送毛トンネルが、2016年(平成28年)1月には4,216mの浜益トンネルの供用が開始されています。

大別苅バス停から出発した別刈雄冬線は、岩尾港バス停を経由して終点の雄冬バス停に到着します。所要時間は約25分、1日3往復の運行となります。このバス路線によって雄冬集落から増毛町、留萌市方面への利便性は高まり、道なき陸の孤島状態は解消されました。雄冬岬の崖の上には展望台が建ち、そこからダイナミックな大自然を望むことができます。観光目的で利用するのも良いですよ。