ローカルバス路線紹介・・・「上祝子線(宮崎交通)」

2018年06月27日

ローカルバス路線紹介・・・「上祝子線(宮崎交通)」

ローカルバス路線紹介・・・「上祝子線(宮崎交通)」

全国各地のローカルバス路線にスポットを当てていくこのシリーズ、今回は宮崎県の宮崎交通が運行する「上祝子線」です。断崖絶壁の狭隘路を走るのですが、その道はホントにホントに狭いんです!

“日本一の狭隘路を走る秘境路線バス”です

宮崎県北部の延岡市を走る「上祝子(かみほうり)線」。「祝子川線」や「祝子川温泉線」と呼ばれることもあるこのバス路線は、延岡駅前の延岡バスセンターと九州の中央部を北東から南西に貫く九州山地の急峻な山々に囲まれた祝子川温泉を70分ほどの所要時間で結びます。標高1,644mの大崩山(おおくえやま)から流れ出る祝子川が生み出した渓谷は深く、アクセスルートとなる県道207号岩戸延岡線は断崖絶壁が続きます。そのため上祝子線は“日本一の狭隘路を走る秘境路線バス”として、ローカルバス路線マニアの中では知られた存在でもあります。

中型バス1台分の狭い道が続きます

一般的に狭隘路とは道幅4m未満の道路を指します。このぐらいであれば他にも様々な狭隘バス路線が全国にあるのですが、なんといっても断崖絶壁を走るだけに、上祝子線のトンデモなさは“日本一”の称号を裏切りません。市街地から山を登り、起点から21番目の六首バス停を過ぎると、そこからは車幅2.3mの中型バスがやっと1台通れるほどの狭い道が続きます。片側は崖で、反対側は川。右側の窓ギリギリに切り立つ岩肌が迫り、その隙間は数10cmほどでしょうか。もちろん川岸のガードレールとの隙間も同じです。もはや神業としか思えないミリ単位のハンドルさばきでこの難所を切り抜けるのですが、さらに大変なのは対向車が来た時。すれ違えるような場所までどちらかがバックすることとなり、運転の苦手な人なら寿命が何年も縮まりそうなほどの状況に陥ります。これほどの狭隘路線なら、日野ポンチョなどの小型車両を投入しても良さそうなものですが・・・。

沿線住民の“生きていくための足”なのです

上祝子線を運行する宮崎交通の延岡営業所では、新人運転手からベテラン運転手まで全員が1ヵ月に1回程度のスパンで上祝子線に乗車するシフトになっているそうです。もしかすると運転技術を鍛え、プロドライバーとしての能力を高い水準に置き続けるために、わざと中型バスで運行しているのかもしれませんね。

下祝子バス停を過ぎ、祝子ダムの湖畔を走ると、ようやく民家が見え始めて人の気配がしてきます。こちらで暮らす方々にとって、この路線バスはまさしく“生きていくための足”に違いありません。あの狭隘路をご高齢の方が自ら車を運転して延岡市内まで行くのは、多分に困難なことだと思われますもの。上祝子バス停付近にはかつて営業していた商店などの姿も見ることができ、バスは終点の上祝子温泉に到着します。上祝子温泉には「美人の湯」という温泉施設があり、露天風呂から大崩山を望むことができますよ。延岡バスセンターから上祝子温泉までの運賃は、2017年(平成29年)10月現在で大人片道 1,080円となっています。