ローカルバス路線紹介・・・「栂池高原・雨飾高原線(小谷村営バス)」

2018年07月18日

ローカルバス路線紹介・・・「栂池高原・雨飾高原線(小谷村営バス)」

ローカルバス路線紹介・・・「栂池高原・雨飾高原線(小谷村営バス)」

全国各地のローカルバス路線にスポットを当てていくこのシリーズ、今回は長野県北安曇郡の小谷村営バスが運行する「栂池高原・雨飾高原線」のご紹介です。ルートの最後に凄いスリルが味わえますよ。

多くの観光客が訪れる「小谷村」

皆さんは長野県北安曇郡の小谷村をご存知ですか?「こたに」と書いて「おたり」と読むこの村は、長野県の北西端、新潟県との県境に位置します。東部には雨飾山(あまかざりやま)など頸城山塊(くびきさんかい)にあたる標高2,000m前後の山が連なり、西部には白馬連峰の標高2,500m前後の山がそびえ、中央には白馬村の親海湿原の湧水に端を発する水質ランキング日本一に何度も輝いた姫川が流れる、それはそれは美しい村です。特別豪雪地帯のため冬はスキー客で賑わい、湧き出す温泉は数多く、稀少な高山植物が生育する栂池自然園など観光スポットも盛りだくさん。そのため小谷村には季節を問わず多くの観光客が訪れます。

4路線で公共交通を担う「小谷村営バス」

小谷村の公共交通を担うのは、JR大糸線(長野県松本駅~新潟県糸魚川駅)と小谷村営バスです。小谷村営バスはその名の通り小谷村が経営する公営の自治体バスで、運行業務は長野県で鉄道・バス事業を営むアルピコ交通株式会社とアルピコタクシー株式会社に委託されています。運行路線は「北小谷線(千国の庄~大網)」「土谷線(千国の庄~奉納)」「栂池高原・白馬大池駅経由線(栂池高原~南小谷駅前)」の3路線に、今回ご紹介する「栂池高原・雨飾高原線(栂池高原~雨飾高原)」を加えた合計4路線。村営バスであるものの、車両はアルピコ交通のカラーリングそのままでの運用です。

栂池高原・雨飾高原線の概要

栂池高原・雨飾高原線の起点は栂池高原、途中に小谷村の玄関口であるJR大糸線南小谷駅を経由し、終点は雨飾高原です。ただし、12月1日~翌年3月31日までの冬季期間は積雪による道路閉鎖のため、雨飾高原より3つ手前の大凪下バス停での折り返し運行になります。栂池高原~雨飾高原の所要時間は南小谷駅での発着調整によって異なりますが1時間15分前後、運賃は1,190円、1日5本の運行です(2017年11月現在)。栂池高原~南小谷駅前止まりは1日2本/運賃520円/所要時間25分、南小谷駅前発~雨飾高原は1日2本/運賃840円/所要時間41分です。

最後の約10分間はスリル満点!

小谷村は糸魚川静岡構造線上にあるため、峡谷型で脆弱な地質となっています。そのため土砂災害が発生しやすく、過去に幾度も大規模な被害に見舞われてきました。それでも栂池高原・雨飾高原線のルートの大部分の道路はよく整備されていて、車窓からの美しい景色を楽しみながら快適なバスの旅を味わうことができます。しかし、それは冬季期間にバスが折り返す大凪下バス停までのお話でして、ここから本来の終点である雨飾高原までの約10分間は、まさに手に汗握るスリル満点の走行になるんですよ。

大凪下バス停からは一気に険しい上り坂となり、ジグザグの山道をよじ登るように進んでいきます。道幅も急激に狭くなり、時にはバス一台分の幅しかありません。反対側は崖で、路肩にガードレールがないところも多く、そんな中でのヘアピンカーブを全長10mの大型バスで通過していくのです。遊園地のちょっとしたアトラクションよりハラハラドキドキすること間違いありません。

終点の雨飾高原バス停に到着すれば、そこから徒歩3分ほどのところに「雨飾荘」があります。こちらは温泉での日帰り入浴や食事も可能な宿泊施設で、登山や自然散策を楽しむ人たちの拠点となっています。標高900mの山間に佇む日々の喧噪とは無縁の一軒宿で源泉掛け流しの温泉につかり、信州の味覚を堪能してみてはいかがでしょうか。なお、道路が閉鎖となる冬季は雨飾荘も閉鎖となるのでご注意ください。