ローカルバス路線紹介・・・「皆月線(北鉄奥能登バス)」

2018年08月01日

ローカルバス路線紹介・・・「皆月線(北鉄奥能登バス)」

ローカルバス路線紹介・・・「皆月線(北鉄奥能登バス)」

全国各地のローカルバス路線にスポットを当てていくこのシリーズ、今回は石川県の北鉄奥能登バスが運行する「皆月線」をご紹介します。この路線、読めそうで読めない難読バス停名の宝庫なのです。

味わい深い門前町を走る「皆月線」

北陸鉄道グループの北鉄奥能登バス(本社:石川県輪島市)が運行する「皆月線」は、石川県輪島市門前町の門前バス停と日本海に面した五十洲バス停を結ぶバス路線です。能登半島西部に位置する輪島市門前町は、その名の通り1321年(元亨元年)に開山した曹洞宗大本山總持寺祖院(そうじじそいん)の門前町として古くから栄えてきました。今も白漆喰と下見板に覆われた壁と黒瓦が織りなすモノトーンの街並みが残り、門前そばを始めとする禅文化と自然豊かな能登半島が育んだ山海の幸が楽しめるなど、小さいながらも味わい深い町として多くの観光客をひきつけています。

皆月線は門前町から北西部に広がる山間地を抜け、周辺の集落を経由しながら漁村のある皆月海岸に向かいます。起点から終点までの所要時間は約30分、運賃は610円で、平日は1日4本、土日祝日1日2本が運行されています(平成29年6月1日現在)。

門前町内から峠を越えて日本海へ

門前バス停を出発したバスは、保健センター前などの門前町内を経て国道249号に入り、浦上バス停を過ぎた後に左折して県道38号輪島浦上線を北上します。ここから終点まではバス停以外の場所でも乗り降りができる自由乗降区間になります。そしてルートは山間の道となり、曲がりくねった狭隘区間が断続的に続きます。急な上り勾配で日砂子、濁池、清土の各バス停を通過し、薄野バス停付近が峠の頂点でしょうか。

薄野バス停からはダウンヒルとなり、井守上坂、百成大角間の各バス停を通過して皆月バス停に近づくと、突然目の前が開けて紺碧の日本海が現れます。皆月バス停の先を左折し、ここからバスは皆月海岸に沿って走ることになるのですが、沿岸の集落には軒先より高い竹垣が設けられています。これは“間垣”といって、冬には日本海から吹き付ける猛烈な季節風を防ぎ、夏には長く射し込む西日をさえぎる伝統的な垣根です。そして七浦農協前バス停の次が、皆月海岸の西端となる終点の五十洲バス停です。

読めそうで読めない難読バス停名の宝庫

この皆月線ですが、難読バス停名の宝庫としてもバスマニアには知られた存在です。ここまでいくつかのバス停をフリガナなしで書き連ねましたが、自信を持って読むのはなかなか難しかったと思います。では正解をお教えしましょう。

まず終点の「五十洲」ですが、これは“ごじゅうす”や“いそす”ではなく「いぎす」と読みます。「日砂子」は“ひさご”ではなく「びしゃご」、「濁池」は「にごりいけ」、「清土」は「しゅうど」、「薄野」は「すすきの」、「井守上坂」は「いもりあげさか」、「百成大角間」となると「どうめきおおかくま」ですから、地元の人以外は絶対に読めません。

「七浦農協前」も“しちうらのうきょうまえ”だと思ったら大きな間違いで、「しつらのうきょうまえ」と読みます。路線名でもある「皆月」も読み方は“みなづき”で正しいのですが、表記は“みなずき”となっています。これだけ難読バス停が続くバス路線も珍しいですよね。ぜひご自分の目で確かめに行ってみてください。