kmあたりの運賃が日本一安い民営バス会社はどこ?

2018年08月15日

kmあたりの運賃が日本一安い民営バス会社はどこ?

kmあたりの運賃が日本一安い民営バス会社はどこ?

日本全国で最もポピュラーな路線バスの運賃システムは、距離や区間に応じて運賃が加算される「対キロ区間制」です。そのシステムの中でkmあたりの運賃が日本一安い民営バス会社はどこなのでしょうか。

対キロ区間制の平均基準賃率は約40円

路線距離の短い大都市の市街地を走る路線バスは、どこまで乗っても同じ運賃の「均一制運賃制度」を採用しています。でもこの運賃システムは全国的に見ると少数派で、最もポピュラーなのは基準距離に応じてバス停を“区”にまとめ、区をまたぐごとに運賃が加算される「対キロ区間制運賃制度」です。乗車時に整理券を取って、乗車した区間の整理券番号に対する運賃を降車時に支払うおなじみのタイプですね。全国では180近いバス会社(保有車両30台以上)がこの対キロ区間制を採用しています。

もちろん同じ対キロ区間制であっても、会社ごとの乗車1km当たりの運賃率(基準賃率)には違いがあります。民営バス会社の全国平均は40.02円、最高値は55.90円にもなります。それでは基準賃率が最安値となる“kmあたりの運賃が日本一安い民営バス会社”はどこなのでしょうか?

長きに渡りトップに君臨してきた「長崎バス」

この民営バス日本最低運賃部門で長きに渡りトップに君臨してきたのが、長崎県長崎市を中心に路線バスを運行している「長崎自動車株式会社(通称:長崎バス)」です。平成29年4月現在で985名の従業員と585台の車両を有する県下最大級のバスであり、全車冷房化(1982年)や自動精算式運賃箱の採用(1990年~)を全国に先駆けて行うなど先進的な取り組みでも長崎市民の暮らしを支える長崎バスは、1978年(昭和53年)の運賃改定で日本最低になりました。それから数回の運賃改定を経たものの、長崎バスはなんと21.50円という最安水準を維持し続けてきたのです。

しかし、2015年(平成27年)10月に、長崎バスは輸送人員の減少とバス事業を維持するための費用の増加に対応べく、基準賃率を24.50円へと改定しました。これにより長崎バスはトップの座から降りることになります。

ついにトップに立った「宇野バス」

長崎バスに変わって民営バス日本最低運賃部門のトップに立ったのが、岡山県東部を営業エリアとする「宇野自動車株式会社(通称:宇野バス)」です。岡山県初のバス会社となった1918年(大正7年)の創業から一般路線バスの専業会社として地域に溶け込んできた宇野バスは、「最高のために最低を目指す」をモットーとして、1998年(平成10年)に路線バスで史上初となる運賃値下げの改定をしたスゴイ会社です。その基準賃率は23.20円で、以前から「いつか長崎バスを抜く!」ことを目指して努力を続けてきたことが実を結んだわけです。

さらに宇野バスがスゴイのは、創業以来ずっと黒字経営を続ける優良企業であることです。「安かろう、悪かろう」ではなく、多くの人々に繰り返し利用してもらえるサービス向上やコスト管理を徹底しているからこそ、安い運賃でも利益を出すことができるのでしょう。平成28年3月決算では一気に新車を25台購入したため減価償却費がかさみ、営業損益では初の赤字を出しましたが、経常損益は引続き黒字となっています。

真の日本最低運賃は公営の「鹿児島市営バス」

それでも宇野バスは、あくまでも“民営バス”日本最低運賃部門のトップであって、真の日本最低ではありません。民営・公営どちらも含めた真の日本最低運賃部門の頂点に立つのは、19.90円という破格の基準賃率を誇る「鹿児島市営バス」です。宇野バスは総合順位では2番目なんですね。鹿児島市営バスは鹿児島県鹿児島市の地方公営企業である鹿児島市交通局が運営しているため、営利を目的とした民営バス会社と一概に比較することはできませんが、やはりこの運賃を維持するためには大変な努力が必要なはずです。

宇野バスの次の目標は鹿児島市営バスを下回る運賃のようですし、長崎バスも企業努力を続けて今の基準賃率を維持し続けることでしょう。これらの沿線に住んでいる方々が本当にうらやましいですね。