降車ボタンも車内放送もない八重山諸島西表島の路線バス

2018年08月29日

降車ボタンも車内放送もない八重山諸島西表島の路線バス

降車ボタンも車内放送もない八重山諸島西表島の路線バス

日本最南端の路線バスであり、最西端と最南端のバス停がある八重山諸島西表島の「西表島交通」。のどかな南の島を走る路線バスだけに、車内には降車ボタンも次のバス停を告げる車内放送もありません。

“東洋のガラパゴス”とも称される「西表島」

皆さんは「西表島(いりおもてじま)」をご存知ですよね。沖縄本島から南西方向に約460km、島の90%が亜熱帯の自然林で覆われ、海岸線の河口や内湾にはマングローブの林が発達し、イリオモテヤマネコやカンムリワシなど珍しい動植物の宝庫であることから、“東洋のガラパゴス”とも称される八重山諸島最大のあの島です。

西表島の人口は2017年(平成29年)3月末現在で2,366人ですが、観光客も数多く訪れることから、島内を約半周する形で「西表島交通」の路線バスが運行しています。運行区間は島北西部の白浜バス停から島南端の豊原バス停の間で、ルート上にはフェリーの発着する上原港・大原港や主要観光スポットを経由します。

「西表島交通」は“日本最南端の路線バス”

島の位置が沖縄本島よりも遠く南西にあり、ここよりも西や南の与那国島や波照間島には路線バスが走っていないため、必然的に西表島交通は“日本最南端の路線バス”ということになります。もちろん白浜バス停は日本最西端、豊原バス停は日本最南端のバス停ですね。起点から終点までの運行距離は約50kmで、所要時間は1時間45分、午前と午後にそれぞれ2往復、計4往復が運行されていますので、西表島を訪れた際にはぜひ利用してみてください。

ただ、この路線バスの乗り降りにはちょっとしたコツがあります。普段使っている路線バスの感覚でいると、乗ることも降りることもできないかもしれません。以下に注意事項を挙げておきましょう。

降車ボタンも車内放送もない!?

まず認識しておかなければならないのは「全区間フリー乗降制」であることです。バス停以外の場所でも手を挙げて運転手さんに合図をすれば、ちゃんとバスは停まって乗せてくれます。逆にバス停にいても、乗車の意思を全く見せなければ通過していってしまう危険性もあるのでご注意ください。

乗る際は前のドアから、降りる際も前のドアからです。後ろにもドアはありますが使われていません。そして運賃は前払いです。前のドアから乗って乗車時に運賃を払うとなると、東京や大阪など都市部の路線バスと同じ全区間均一運賃だと思われるかもしれませんが、初乗りは130円で全区間乗車が1,280円の区間制運賃となっています。

そのためシステム的には乗車時に運転手さんへ行き先を告げ、それに応じた運賃を支払います。目的の観光スポット名を伝えれば運賃を教えてくれますし、その近くで停まってくれます。ですから車内に降車ボタンなどという代物は存在しません。「次は〇〇バス停~」などという車内放送もありません。さらに運賃箱は“ただの箱”なのでビックリしないでくださいね。ICカードなんてめっそうもありませんぞ。

でも観光客向けに1日のみ有効と3日間有効のフリー乗車券があるので、こちらを使えば安心ですね。1日フリーパスが大人1,030円/小児510円、3日フリーパスが大人1,540円/小児770円で、車内で購入可能です。

全国各地からやって来た中古車両が大活躍!

西表島交通の路線バスは3台で運用されています。ただし、貸切バスは大型車両を20台ほど保有していて、定期観光バスツアーやチャーター便を運行していますから、主力はもっぱらこちらですね。

そして路線バスも貸切バスも、車両は全て中古車になっています。海沿いのルートを走ることから塩害に見舞われやすいため、価格が安い中古車を短いサイクルで入れ替えるという対策を取っているのです。そのためこの亜熱帯の東洋のガラパゴスに、神奈中バスや川崎市営バス、東京都営バスなどの車両がそのままの姿で走っていたりします。なかなかレアで面白い光景ですよ。