「BRT(Bus Rapid Transit)」ってなんだ?

2018年11月07日

「BRT(Bus Rapid Transit)」ってなんだ?

「BRT(Bus Rapid Transit)」ってなんだ?

世界ではポピュラーな輸送システムである「BRT(Bus Rapid Transit)」。日本語では「バス高速輸送システム」と呼ばれますが、いったいどのようなものなのでしょうか?

日本語では「バス高速輸送システム」

「BRT(Bus Rapid Transit:バス・ラピッド・トランジット)」とは、バス専用道路を設けて一般的な路線バスよりも高速かつ高頻度にバスを運行するシステムのことで、日本語では「バス高速輸送システム」とも呼ばれます。専用道路を走行することで鉄道に近い定時性をバスに与えられますし、連節バスなどを投入すれば大容量化や高頻度化が可能になります。運営側にとっても車両価格や設備投資、整備コスト等を鉄道よりも圧倒的に低く抑えられるため、安定した運営を行えるというメリットをBRTは持っています。

世界ではポピュラーなBRT

これらのメリットから、国土が広く公共交通の導入にコストを掛けたくない国や地域に、BRTシステムは最適な輸送システムと考えられます。世界初のBRTシステムも1974年に開業したブラジル南部の都市クリティーバの統合輸送ネットワーク「RIT(Rede Integrada de Transporte)」であり、これは世界中の多くの類似システムに影響を与えました。2014年10月現在で南米や北米、中国、オーストラリアを始めとした世界186都市でBRTが運行しており、その路線総延長距離は4,757km、全世界で1日当たりの推定乗降客数は約3,170万人とされています。

日本におけるBRT

日本におけるBRTは2001年(平成13年)に名古屋市で開業した「名古屋ガイドウェイバス(通称:ゆとりーとライン)」が有名です。大曽根駅から高蔵寺駅間の全14.9kmのうち、大曽根駅~小幡緑地駅間6.5kmは高架の専用軌道を走行する“鉄道のようなモノレールのようなバス”で、当然この間は渋滞などなく、高速の定時運行が可能となっています。ただし、モノレールのような高架専用軌道は整備費用が非常に高額となるため、このようなガイドウェイバスとしてのBRTは国内で他に存在していません。

日本のBRTで多いのは、廃線となった鉄道の線路敷上にバス専用道路を造ったスタイルです。いくつか例を挙げてみると、戦前に廃線となった鉄道路線の線路敷を活用した福島県の「白棚線(JRバス関東)」、鹿島鉄道線の廃線跡を利用した茨城県の「かしてつバス(関鉄グリーンバス)」、日立電鉄線の廃線路敷を利用した同じく茨城県の「ひたちBRT(日立電鉄交通サービス)」などがあります。

震災からの復旧、そして都心部でも

そして、あの東日本大震災によって甚大な被害を受けたJR東日本が、気仙沼線の柳津~気仙沼間と大船渡線の気仙沼~盛間に鉄道よりも早期・低コストでの復旧が可能となるBRTを、気仙沼線は2012年(平成24年)、大船渡線は2013年(平成25年)に導入しました。BRTは鉄道に比べて輸送力が劣りますが、ラッシュ時には一部区間で10分間隔の運行を実現するなど本数を大幅に増加してそれを補っています。

廃線路敷を利用したスタイル以外には、一般道の中央部に専用レーンや停留所を設置し、交差点ではバス優先信号を使用する名古屋市の「基幹バス」、幹線バス路線に連節バスを導入した岐阜県の「清流ライナー(岐阜乗合自動車)」および新潟県の「萬代橋ライン(新潟交通)」などがあります。

廃線となったローカル鉄道の代替バスというイメージが強い日本のBRTですが、東京都は2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東京都心部と臨海副都心を結ぶBRTを計画しています。福岡市や神戸市でも連節バスの試験走行を行っていますので、近い将来、日本でもBRTがポピュラーなものになるかもしれません。