宮崎県のバス事業は「宮崎交通」なしでは語れません!

2018年12月19日

宮崎県のバス事業は「宮崎交通」なしでは語れません!

宮崎県のバス事業は「宮崎交通」なしでは語れません!

ほとんどの都道府県では複数のバス会社が競合しているのですが、宮崎県のバス事業は「宮崎交通」の独占状態となっています。宮崎県内最大の交通インフラである宮崎交通についてお話します。

日本のひなた宮崎県!

九州地方南東部に位置する宮崎県。年間の平均気温は約17度で、日照時間や快晴日数も全国トップクラスと一年を通じて温暖な気候を誇ります。ヤシ科の樹木であるフェニックス(カナリーヤシ)が県木とされ、キャッチフレーズは「日本のひなた宮崎県」。その南国情緒豊かな風情から、昭和30年代~40年代は日南地区を中心に新婚旅行のメッカとなっていました。現在もプロ野球やJリーグチームのキャンプ地として有名ですね。

さらに国内有数の農業県で野菜や果物の生産が盛んですし、畜産物も豊富。マンゴーや宮崎牛、宮崎地鶏など美味しいものがたくさんあります。それでも物価は日本一安いそうですよ。

宮崎県の巨大バス会社「宮崎交通」

そんな宮崎県のバス会社といえば「宮崎交通(通称:宮交バス)」です。というよりも“宮崎交通しかない!”と言った方が確かかもしれません。宮崎交通は県内に広くバス路線網を持ち、2013年(平成25年)3月現在の資料で系統数367、車両数348、走行キロ約1,350万km、年間輸送人数約1,000万人と、県内のバス事業をほぼ独占しています。

他にあるのは高崎観光バス(系統数2、車両数7、走行キロ約37万km、年間輸送人数約3万人)と三州自動車ですが、三州自動車は県外路線が大部分で県内は4路線だけとなっていますので、宮崎交通の巨大さが際立ちます。

九州各地を結ぶ高速バスも充実

そして宮崎交通は九州内で数多くの高速バス路線も展開しており、「フェニックス号(宮崎・都城北~博多・福岡天神)」は九州でもトップクラスの収益を上げる超人気路線となっています。

それ以外にも「ブルーロマン号(宮崎・都城北~長崎)」や「なんぷう号(宮崎・都城北~熊本)」、「はまゆう号(宮崎空港・宮崎・都城北~鹿児島)」は宮崎と九州各地を結んでいますし、九州新幹線と共同利用することによって博多~宮崎間を最速3時間10分でつないだ「B&Sみやざき(宮崎・都城北~新八代駅)」、38年ぶりに別府~宮崎間を直行バスで結ぶことになった「パシフィックライナー(宮崎・延岡~大分・別府)」など、その充実ぶりは枚挙に暇がありません。

“宮崎県観光の父”が築いた独占体制

ではなぜ宮崎交通はこれほど巨大なバス会社となったのでしょうか。そのきっかけは戦前にまでさかのぼります。1943年(昭和18年)、陸上交通事業調整法による交通事業者の統合によって県内の3事業者(宮崎鉄道、宮崎バス、都城自動車)が合併し、宮崎交通が誕生しました。だだし、本来は県北と県南に担当を分けた2社をつくる予定だったそうです。それを宮崎バスの社長であった岩切章太郎氏が1社にまとめ、現在の独占体制が形成されたのです。

岩切氏は県内の名所をめぐる遊覧バスを早い時期から運行したり、今や県木となったフェニックスの植樹を最初に行うなど“宮崎県観光の父”と呼ばれる偉人で、県内各地に大型の観光開発を行いました。その努力が実を結び、昭和30年代~40年代の宮崎新婚旅行ブームが巻き起こります。

ところが年々進行する少子高齢化とマイカーの普及、さらには生活スタイルの変化などの影響から、2000年代に入ると宮崎交通の収支は悪化していきました。2005年(平成17年)には産業再生機構の支援を受けることが決定し、持株会社「宮交ホールディングス」の傘下企業となって経営再建を図ることになります。この支援期間中に赤字路線の廃止や減便を行ったことで2006年(平成18年)に債務の弁財は完了、現在は再び県内最大の交通インフラとして県民の日常生活を支えています。