小田急線町田駅を発着する路線バスに小田急バスはない!?

2019年01月09日

小田急線町田駅を発着する路線バスに小田急バスはない!?

小田急線町田駅を発着する路線バスに小田急バスはない!?

都心部の大きな鉄道駅からは周辺に向けて路線バスが発着し、その鉄道会社とバス会社は同じというのが普通です。ところが小田急電鉄で第2位の巨大駅である小田急線町田駅は様相が違うようです。

多摩地域最多の利用者数を誇る「町田駅」

「町田駅」は東京都多摩地域の町田市にある、JR横浜線(東神奈川~八王子)と小田急小田原線(新宿~小田原)が乗り入れる鉄道駅です。都区部ではない多摩地域の駅だけに東京および神奈川在住の方以外にはあまり知られていないかもしれませんが、JRと小田急を合わせた2016年(平成28年)度の1日平均乗降人員は約51万人と、多摩地域の鉄道路線全駅で最多の利用者数を誇る巨大な駅です。小田急線だけに限っても1日平均乗降人員は291,802人、これは小田急電鉄の中で新宿駅に次ぐ第2位で、駅周辺は百貨店や専門店などが立ち並ぶ一大商業ゾーンとなっています。

小田急線の駅なのに小田急バスの姿がない!?

このような巨大駅ですから数多くの路線バスが発着しており、町田駅には町田バスセンターや町田ターミナルなどのバスターミナルが隣接しています。小田急線の駅を起点にしていますので、発着する路線バスの多くは小田急バスだと考えるのが当然ですが、なんと町田駅にも町田バスセンターにも町田ターミナルにも小田急バスの姿は一切見られません。

路線バスで走っているのは神奈川中央交通(神奈中バス)ばかり。新百合ヶ丘や成城学園前などの小田急線主要駅には小田急バスが頻繁に発着しているのに、小田急電鉄ナンバー2の巨大駅にはまったく走っていないという、考えてみれば不思議な状況となっているのです。町田市は東京都なのに神奈中バスの独占というのも不思議ですよね。

小田急バスの前身は武蔵野の地で創業

なぜこのような状況になっているのかを説明するには、少しばかり歴史をさかのぼらなければなりません。小田急バスの前身は1932年(昭和7年)6月に設立された武蔵野乗合自動車です。この会社は現在の武蔵野市、三鷹市、および調布市を路線基盤としていたのですが、1950年(昭和25年)8月に小田急電鉄に買収されました。

1948年(昭和23年)に東京急行電鉄から独立した小田急電鉄は自社でバス事業を保有していなかったため、自社線への乗客輸送を行う目的で武蔵野乗合自動車を手に入れ、同年9月に商号を変更、ここに小田急バスが誕生することになったのです。

戦前に町田を営業エリアとした神奈中バス

一方の神奈中バスは1921年(大正10年)設立の相武自動車が前身です。その後、合併を繰り返して1937年(昭和12年)に相武鶴屋自動車、1939年(昭和14年)には東海道乗合自動車と改称され、1941年(昭和16年)になると他社から原町田営業所を譲り受け、現在の町田市内に営業エリアを持つこととなりました。そして1944年(昭和19年)に商号を神奈川中央乗合自動車、1951年(昭和26年)に現在の神奈川中央交通としています。

つまり小田急バスができた時、すでに町田は神奈中バスのものとなっていて、小田急バスが入り込む余地はなかったというわけです。でも、神奈中バスは社名が神奈川中央乗合自動車だった1948年(昭和23年)から小田急の傘下に入り、今も小田急グループの一員となっていますから、グループ的には問題ないのかもしれませんね。

ちなみに小田急バスの本社は東京都調布市仙川町にあります。最寄りの駅は京王線の仙川駅。営業エリアは小田急電鉄沿線ではない武蔵野・三鷹・調布地区にも有しています。これらすべては武蔵野の地で創業した小田急電鉄とは無関係の武蔵野乗合自動車が前身ということによるものですが、やっぱりなんだか不思議な感じがしちゃいます。