公営バスだけど肩身が狭い!?「北九州市営バス」

2019年02月06日

公営バスだけど肩身が狭い!?「北九州市営バス」

公営バスだけど肩身が狭い!?「北九州市営バス」

「北九州市営バス」は北九州市が経営する公営バスです。しかし、市内中心部は民営の西鉄バスが支配しており、市営バスは市の周縁部でひっそりと営業しています。その理由についてお話してみましょう。

大規模なものが多い政令指定都市の公営バス

地方自治体や公共機関が経営する公営バスは近年縮小傾向にありますが、それでもまだまだ全国に多数存在しています。特に政令指定都市の公営バスは大規模なスケールで市民の日常生活を支えており、東京都の都営バスや名古屋市営バスの保有車両数は1,000台を超えています。横浜市営バス、京都市営バス、大阪市営バス、京都市営バスの保有車両数も500台以上ですから、市内に広大な路線網を構築して圧倒的な輸送力を持つ公共交通機関であることが分かります。

ところが「北九州市営バス」は...

今回ご紹介する「北九州市営バス」も政令指定都市の北九州市(北九州市交通局)が経営する公営バスですから、さぞや市民の生活の足として北九州市内全域を走り回っていると思いきや、どうも様子が違うようです。その営業エリアは北九州市を構成する7区の中で北西の端に位置する若松区だけと言っても過言ではなく、北九州市民でも若松区以外の在住者は市営バスに乗ったことすらない人が大半、逆に日常的に市営バスを使う人は田舎者扱いされるという噂があるほどなのです。

もともとは若松市の市営バスでした

まるで“若松区営バス”のような存在の北九州市営バスですが、なぜこのようなことになっているのでしょうか。それは北九州市の誕生にルーツがあります。1963年(昭和38年)2月10日、北九州市は門司市、小倉市、戸畑市、八幡市、そして若松市の5市による新設合併で生まれました。若松市では1929年(昭和4年)から市営バスを運行しており、それが北九州市となったことで若松市は若松区となり、バス事業は北九州市へと引き継がれたのです。もともとは本当に若松区営バス(若松市営バス)だったわけですね。

公営バスの今後の在り方を意識しているのかも

そして若松区以外の北九州市内は、西日本最大のバス会社であり北九州を創業の地とする西日本鉄道(西鉄)が古くから路線バス網を築いていて、現在はその子会社の西鉄バス北九州が独占的に運行しています。九州の雄である西鉄バスはさすがに強く、そこに北九州市営バスが入り込む隙間はありません。ですから若松区と西鉄バスの路線網が薄い地域、いわば北九州市の周縁部分でひっそりと営業しているのです。

しかし、民営バスが地域のバス事業の中心となって、何らかの事情でその手がおよばないエリアを公営バスが補うというスタイルは、今後のスタンダードになるとも言われています。公営が独占していては競争原理が働きませんものね。北九州市営バスも肩身の狭い営業ですが、実はそれを意識してのことなのかもしれませんぞ。