名前は宇野でも宇野には行かない岡山の老舗「宇野自動車」

2019年03月06日

名前は宇野でも宇野には行かない岡山の老舗「宇野自動車」

名前は宇野でも宇野には行かない岡山の老舗「宇野自動車」

日本最低の運賃で名高い岡山市の宇野自動車(宇野バス)ですが、その路線には岡山市の南に隣接する玉野市宇野へ向かうものがありません。同じ「宇野」なのに、なんで宇野バスは宇野に行かないの?

岡山で最初のバス事業者です

皆さんは「宇野自動車(通称:宇野バス)」をご存知でしょうか。岡山市北区に本社を置き、岡山県東部を営業エリアとするローカルバス会社ですが、なかなかスゴイ会社なんですよ。まず岡山県で最初のバス事業者として1918年(大正7年) に創業したという長い歴史を持っており、鉄道会社からスタートした事業者が多い中で創業以来バス専業、しかも一時期季節運行していた定期観光バスを除けば高速バスも観光バスも運行したことがなく、一般路線バスだけにこだわった地元密着の営業を続けています。

安い運賃、優れたサービス、そしてずっと黒字経営

さらにスゴイのは、運賃がおそろしく安いのです。対キロ区間制での運賃は乗車1km当たり23.20円と、全国平均40.02円、最高値55.90円という日本の民営バス会社の中で最安値を叩き出しています。なんてったって会社のモットーが「最高のために最低を目指す」ですから、1998年(平成10年)には路線バスで史上初となる運賃値下げの改定を行い、最近でも2018年(平成30年)2月1日から岡山駅と岡山後楽園を結ぶ「岡山後楽園バス」の運賃を140円から100円に値下げしました。

他にも岡山で初の深夜バスの運行、中四国で初となる公共車両優先システム(PTPS)対応機器車の稼働とバスロケーションシステムの導入、全車両での無料Wi-Fiサービスやスマートフォンの充電ができるコンセント付き車両の導入などなど、数々の先進的な取り組みを行ってきています。

そして最大の驚きは、日本最安値の運賃と先進のサービスを提供し続けているにもかかわらず、1918年の創業から約100年間にわたって“黒字&無借金経営”を続けているということ。ねっ、ホントにスゴイ会社でしょ。

「宇野」と「宇野」は別の「宇野」?

ところで、岡山市の南に隣接する玉野市に「宇野」という地名があります。玉野市の市役所付近から西北一帯の地域を指し、同市の中心的街区でもあります。南は瀬戸内海に臨んでいて、港湾法上の重要港湾(海上輸送網の拠点となり国の利害に重大な関係を有する港湾)である宇野港からは、小豆島を始めとする瀬戸内海の島々や四国・高松方面にフェリーが発着しています。

同じ「宇野」ですから、誰もが宇野自動車の発祥の地はこちらだと思うでしょうし、宇野バスは宇野港への路線を持っていると考えるでしょう。でも、岡山駅で宇野港行きの宇野バスを探しても絶対に見つかりません。なぜなら宇野バスのほぼ全ての路線は岡山駅から東方向もしくは北方向に向かい、南の宇野へ行く路線は有していないのです。

ではなぜ同じ「宇野」なのに、宇野バスには宇野へ行く路線がないのでしょうか。その理由をお教えしましょう。現在の宇野自動車の取締役社長のお名前は宇野泰正氏、創業者はその祖父にあたる宇野三郎氏、もうお分かりですね、宇野自動車の社名は創業者の姓に由来しているもので、地名の宇野とは関係ないのです。なーんだってっ感じかもしれませんが、偶然にしてはちょっと面白いですよね。